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 前川 直輝

Author: 前川 直輝
最終学歴 京都大学法学部
司法修習 54期
カリフォルニア州弁護士
Maekawa国際法律事務所・代表弁護士
https://maelaw.jp/

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2018年7月・カリフォルニア州司法試験結果・7月試験では最低の合格率
日本時間でいうと本日2018/11/17、July 2018のカリフォルニア州司法試験の合格発表がありました。
合格された方、本当におめでとうございます。
うまく行かなかった方、大変残念ですが、しかし、是非次を目指していただければと思います。
自分自身、失敗を重ねた中で学んだこと、獲得した人脈もあります。昨年の発表からもう1年経ったのかと驚きますね。

詳細情報は来週にも更新されますが、速報リリースは、カリフォルニア州弁護士会のウェブサイトをご確認ください。
State Bar Releases July 2018 Bar Exam Results
受験完了者数8071人、合格者3284人、合格率40.7%は、7月試験では過去最低とのこと。
2017年7月土は49.6%でしたから、9%近く合格率が下がっています。
First-timerは合格率55.0%、Repeaterは16.0%です。再受験者だけでなく初回受験者にもなかなか厳しい数字です。

7月試験の受験者数は、毎年8000〜9000人の間で、昔は、アメリカの中では一番むずかしいと言われるけれども、50%〜60%は合格すると言われていました。

近年は40%台で、今年かなり下がってしまったことに、弁護士会も危機感を覚えているようです。
上記URLをご確認いただければよいですが、カリフォルニア州の司法試験データのリリースであるのに、
・NCBEによればMBEの合格ラインが34年間で一番低かった
・テキサス州の合格率が昨年比7%減だった
・ニューヨーク州の合格率が昨年比5%減だった
という情報を冒頭に並べており、NCBEや他州の合格率について言及するのは私が知る限り初めてではないかと思います。
この合格率低下傾向についてどのような原因があり、どのように対処すべきかについて、これまでにも調査研究は実施されてきましたが、新たに”California Attorney Job Analysis Study”をスタートさせると記載されています。
登録時点レベルの弁護士に要求される知識や技術について情報を収集することが目的だといいます。
司法試験の結果を受けてこれだけ色々と検討が進むということは、弁護士会としてもその結果を深刻に受け止めているということかもしれません。

カリフォルニア州は、全米で唯一、海外弁護士資格者の飛び込み受験を許容しています。
州自体の性格としても、オープンでリベラルですから、その政策はなんとなく理解できる部分があります。
受験者数が多く、様々な層が受けているので、合格率が低いということ自体どうこう言うべきではないでしょう。ただ、例えば、MBEの合格レベルスコア(Mean Scaled Score)は、全米平均1395に対して1404ですから、やはり合格ラインが他より高いことに間違いはありません。

さて、統計は統計として、受験者の方の関心は自分が合格するかどうかです。
司法試験委員会としては、合格基準をそれほど高くしたという考えはないのではないかと思います。これは一昨年にも言われていたことで、現地のロースクールからは激しく非難され、既存の弁護士や受験者にアンケートが実施される等、ちょっとした問題になっていました。
何をするべきかは単純で、50%のMBEと50%のWriting (Essay5問とPT1問)で合格ラインを超えることです。
その水準自体は、決して到達できないレベルではありません。
あとは、制限時間と戦いながら、マークシート方式が得意か、問題文を読んで検討して論述するほうが得意かで、ある程度戦略を立てて、合格できるプランを練ることだと思います。

日本の受験制度に馴染みがある方は、読み書きではどうしても語学のハンデがあるので、MBEでハイスコアを狙うのが得策ではないかと、私は考えています。論文式と違って、出題様式に大きな変化はありませんし、出題科目・分野は厳しくバランスが管理され、準備段階での所要時間や正答率が本番と大きく変わらないので、準備した成果がある程度期待できるからです。
論文式は、日本でも同じですが、やはり出題分野によって得意不得意があります。どの科目が出題されるか、どの分野が出題されるかで、正直って有利不利はあります。
私自身、日本の司法試験でも、アメリカの司法試験でも、合格できた年は、やや準備ができていたところが出題されて、アドバンテージが得られた部分があります。しかし、おそらくラッキーパンチが打てるかどうかはプラス何点の話で、基礎体力がなければパスできるものではありません。
特にカリフォルニア州の司法試験は、過去問が充実しています。Essayはほとんど論点が出尽くしていますし、3日から2日に受験日数が変わったことで、2つの出題傾向が顕著になっています。
Essay1問の中で複数科目が問われること、証拠法・民事訴訟法・弁護士倫理の分野で連邦や全米のルールとカリフォルニア州特有の部分の差異がある部分が頻出であることです。
言葉のハンデにしても、その人なりの水準というのは、一定量を何分で読んで理解できるか、何Wordをタイピングできるかも、事前に測定できます。
それら試験本番で要求される知識技術を具体的に想定した上で、自分なりの戦略を模索しながら、合格ラインを突破す確率が高める、それだけです。

私はこういうブログを書いていたりすることもあり、多くの方から勉強方法や、具体的な教材の質問を受けますが、結局その方の個性にフィットするのが一番ですから、あくまで参考程度に聞いていただくほうが良いと思います。
例えば、私はセンター試験が必要な国立大学を受験して卒業し、日本の旧司法試験を合格したといった受験経験があり、日本法弁護士として事務所を経営し、家族を持ちながら学習する必要がありました。
時間が極めて限られていたので、受験の年数も長くなりがちですし、やれることが限られていました。アフター5という概念もないですから、睡眠時間を削って平日に1時間、2時間を勉強に当てられれば御の字でした。
ですから、講義を聴いて、ノートを作って、問題を解いて、模擬試験を受験して、といった典型的な手法は取れませんでした。その代り、MBEは早いうちから解きはじめてある程度の段階で合格レベルに到達する自信は得られました。あとは、過去問だけを教材に、徹底的に研究して、出題意図を把握することと、読むことと英文タイミングのスピードを上げること、それだけに集中しました。

何を申し上げたいかというと、人それぞれやり方は何通りもあるということです。
そしてろくに勉強時間も取れない私のような人間でも、十分合格できるということ、それだけは自信を持っていただきたいと思うのです。
ただ、多くのご相談を受けていますと、問題文に臨む基本的な姿勢や、回答の進め方に誤解がある方が相当数いらっしゃるように思いますから、その点の修正には、助言ができるかと思います。

資格だけ取得して何ができるか、それはその人の考え方次第です。しかし、少なくとも今の日本のリーガルマーケットで、弁護士以外の方がカリフォルニア州弁護士資格を得ることは確実にキャリアアップの可能性を高めます。
企業内弁護士の方は、選択肢が広がり、転職の際の付加価値になります。
日本法弁護士の方も、やりようによってではありますが、仕事の幅や新しいチャンスが広がります。
是非、志望動機を明確にされて、努力をひたすら続けて、出来るだけ早く合格されるよう祈っております。
ブログのメッセージがなかなか拝見できないので、ご質問がある方は、当事務所の電子メールか(www.maelaw.jp)、Facebook(naoki.maekawa)経由ででもお問い合わせください。
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2018年7月試験MBEスコアの低下
新規開業初年度、夏休みもなくしっかりマイペースに働いてきましたので、休みボケもなく、夏バテもなく、快調に働いていますが、なかなか仕事の中身に触れにくく、必然的に米国司法試験ネタに偏りがちであることはご容赦ください。

さて、2018年7月試験を受験された皆様、お疲れ様でした。
留学中の方も、またAttorney applicantその他の資格で飛び込み受験の方も、またどの州のBar Examを受験された方も、異国の地で外国語で試験を受けるというそのチャレンジに拍手を送りたいと思います。
カリフォルニア州司法試験が2日制になって3回目、ちょうど私が受験してからも1年以上経過します。
得点構成がMBEとEssay+PTで50:50になったことから、MBEの合格に占める重要性は、今まで以上に高まっています。

試験実施機関である全米司法試験協会(NCBE)がJuly 2018のMBEに関する数値を発表しています。以下URLを引用しておきます。
July 2018 Average MBE Scores Decrease

これによると、Scaled Scoreは昨年2017年7月より2.2ポイント下がったとのことです。
確かに昨年は、今思い起こしても問題は易しくなったという実感があります。それは直前の2017年2月度があまりに難しくなった反動でもあったのではないかと思います。
ただ、それにしても、このScaled Scoreは、34年ぶりくらいに低いそうです。MBEのスコアを巡っては、問題が難しすぎるのだよというロースクール側と、いや受験生の教育レベルが低くなっているのだよという試験委員会の舌戦が繰り広げられるのですが、ちょっとこの落ち込みは深刻かもしれません。

というのも、あくまで全米ではありますが、受験者が2.9%減少しているからです。2014年と比較すると51,005人から45,274人に激減しています。
人数が減って、平均値が下がるというその現象をどう捉えるべきか。
もちろん詳細な分析が出来る訳ではありませんが、その意味するところを理解するのは、さほど難しくはないかもしれません。ロースクールの経営は、洋の東西を問わず、なかなか厳しいのだろうと思います。

さて、日本人の受験者にとっての良し悪しも、一概には言えませんが、試験制度からして、マークシート式の受験に慣れている人たちにとっては、MBEの難化は歓迎すべきことだと思います。それだけ差をつけやすいと思われるからです。
また、実際に受験した皆さんで、もしMBEの出来が芳しくないと思われたとしても、全体が難しくなって点数が落ちているので、それほど落ち込まなくて良いという客観的な材料にもなります。もちろん、再度受験しなくて済むのが一番ですが、やはり万一のときに備えて準備を続けなければならないというと、そのモチベーション維持は重要だと思いますから、少しでも気持ちが楽になるのが良いに決まっていますよね。
そしてもし受験者層のレベルがNCBEのいうように低下しているなら、それもやはりプラスに捉えることができるでしょう。
統計数値はポジティブに利用しながら、日々の学習や生活に生かしていきたいものです。

最後に、このブログを通じて受験仲間も増え、現在でも質問を多数承りますので参考までに学習に当たっての要点を振り返ってみます。
一定の時間以内に、英文で書かれた問題を読んで、4つの選択肢の中から正答を選ぶのがMBEです。
第一に、必要な知識を要領よく習得すること。これによって正答が選べるのは勿論、問題を読み、選択肢を切る速さが高まります。
第二に、英文を読んで理解できる速度を上げること。日頃から語彙を増やすために英文記事を読んだり、CNNやBBCといったニュースを聞くようにするのも一つですが、一つ思うのは、MBE特有の速度があるということです。問題となる事例はパターンがあります。そして、問題文はすべての単語が均等に重要ではなく、正答を選ぶ(あるいは不正解の選択肢を外す)鍵となる文章、ワードを見つけられれば良いです。ですから、問題を繰り返し読んで解くことが大事だと思います。
第三に、試験の定石ですが、過去問をやることです。予備校が用意した問題もやったことはありますが、やはり問題の品質や癖のようなものは、過去問に勝るものはないと思っています。
遠方の受験生でも、オンラインでAdaptibarというプログラムがあります。メインプログラムは、オンラインで1問ずつ問題が出題されるというサービスですが、これのオプションである講義は比較的良心的な価格設定で、7科目すべてを一人の先生が試験合格に必要最小限で教えてくれます。

もう一つ、MBE固有の対策本で一番有用だったのが何かと問われれば、以下の本が一択です。

Strategies & Tactics for the MBE 5th Edition (Emanuel Bar Review) (Paperback) - Common
本の構成は、MBE全体に通じる傾向や対策、科目ごとの大まかな注意点や良くある引っ掛け方、またMBEを解く上で特に重要な概念、知識が整理されています。注意を要するのは、教科書やノートのように全科目の全範囲が網羅されているわけではないということです。
それを前提に、私は過去問については基本的にAdaptibarを中心としつつ、科目解説やMBE全体の解法、テクニックの類は、この本を読んで何度も理解しようと努めました。極端な例では、問題文を読まないでも、Callと選択肢だけで正答が導けるということがあります。なんだか大学入試センター試験のような感じですが、それで1分、2分セーブできるというのは、それだけで心の余裕ができるものだと思います。
少々お高いですが、Kindle版も出ていますし、ご参考までに情報提供です。

全米の平均点が下がったといっても、Caiforniaの試験におけるScaled Scoreはまた別です。これも下がるとは思いますが、受験者層のレベルが比較的高く、合格ラインに達するScaled Scoreは全米より高い水準です。
全体がどのレベルであるのか、については受験者がコントロールできることではありませんから、情報は入手しながら(特に試験範囲の変更がある場合は、要注意です)やるべきことを淡々とこなすことだと思います。特に英語にハンデを感じている人は、Writingに苦手意識が出やすいので、そういうときこそMBEのハイスコアを狙って、時間を多く割いていただいたら良いと思います。
英語の運用能力が高く、読み書きのスピード・正確性に問題がない方を除き、日本人受験生はMBEで得点を稼ぐことをお勧めします。

7月受験されたお知り合いもたくさんいらっしゃいます。皆様が望む結果になることを、心より祈っています。
2017年7月カリフォルニア州司法試験合格のご報告
もう随分とご無沙汰しておりました。Facebookはじめ各所からお問い合わせいただくことが最近増えておりまして、せっかくの機会ですので、とても久しぶりに投稿しておこうと思います。
去る2017年7月に実施されたカリフォルニア州司法試験 California Bar Examに合格し、12月に同州弁護士登録を済ませました。長いような、あっという間の挑戦でしたが、良い報告ができて本当に嬉しく思います。

2017年7月は、3日だった試験が2日制に変わる最初のときで、Essayは6問から5問に、PTは180分2問が90分1問に、大きく変化しました。
一番大きかったのはMBEの比重とWritingの比重が50:50になったことです。MBEについては、私は既に1440を超えることはできていたので、自分にとっては有利な変更だと思いました(思うようにしていた、というのが正直なところですが)。
そして、Writingについても、途中答案にならなければ、普通の精神と肉体の状態なら、最低限ここまではスコアが出せるだろう、というラインがつかめていました。ですから、Writingがいつもどおりであっても絶対に合格ラインを超えられるくらいに、MBEでハイスコアを取ってやろうと腹を決めて、徹底的に対策をとりました。
おそらくその制度変更にあわせた学習方法の変更が、成功の鍵となったと思います。

新制度での90分PTはSampleの1問しか公開されていなかったので、不安は尽きませんでした。でも受験生は皆同じ条件です。Sampleを徹底的に分析して、他州の90分テストの方式を少し眺めて、あとは時間のコントロールに注力しました。
PTは180分のころから、出来が良いときと悪いときの差が激しく、駄目なときはほとんど途中答案でした。
90分となり、時間はタイトに見えるのですが、私にとってはプラスに受け取れました。つまり、自分にとって決定的に不利だと思っていたのは英語による読み書きスピードの差だったので、時間が短ければ短いほど、現地受験生との差異が生じにくくなると思ったのです。読む資料の分量も大幅に減りますし、たとえば出て来る判例の数もたいてい1個、2個だろうという計算になるので、現地判例の読み方の訓練を受けていない自分にとっても理解はしやすく、言葉のハンデによるスピード差は小さくなるはずです。
実際、JulyのPTは主題が理解しやすいものだったこともあって、余裕はないものの時間内に題意を把握してきちんと答案を仕上げられたと思います。

Essayについては5問になりましたが、基本的に中身が変わるわけではありません。もっとも、問える問題数が減るということは、出題者としては科目数を維持するために、Cross Overを必ず増やしてくるだろう、そしてCAプロパーと連邦法の比較が増えるだろうという確かな予想がありました。最近その傾向は少しずつ出ていましたが、2日制に変わってより顕著になったのではないかと思います。
Essayについては、60分1問をできるだけ守ること、守れなくてもはみ出す時間を最小限にとどめることを意識しました。さすがに知らないIssueというのはほとんどないだろうという自信はありつつ、今までのように知っていることを吐き出そうとするのではなく、本当にシンプルに問題文の一つずつを大切にして、出題者の意図を読み取ろうと集中しました。何度かブログで書いたように思いますが、Essayの場合、答えは問題文に表現されています。そのヒントをどこまで普通に受け取って表現できるかがポイントです。タイポや文法間違いなど、一切気にしなくて良いし、非母語者であることを負い目に感じる必要はまったくありません。それは公式サイトでもアナウンスされている通りだと思います。

MBEは前回までとにかく難易度が高すぎるとロースクールなどからも批判が強まっていました。だからということかわかりませんが、結果的にJulyの難易度はかなり易しくなったようです。それはスコアにも表れていたようですね。自分としても受験後の体感は、えらく易しくなったなというもので、MBEで跳ねようと計画していた自分にとってはあまり良い情報ではなかったです。
それでもAdaptibarをきちんとやって、正答率が自分の目標とするレベルに達していたので、本番環境でも設定したスコアはクリアしていたのではないかと信じていました。

合格発表の数日前は、記憶が断片的になるほどに、ストレスがかかっていたようです。当日はインターネットを通じて受験番号等を入力すれば結果が表示されるのですが、サイトがダウンしていて何度やっても先に進めませんでした。20分以上経過して、PDFでRegistration No.とApplication No.の組み合わせで合格者一覧が表示され、自分のそれに合致する箇所を見つけたものの、さらにしばらくしてサイトで正式に確認するまで疑心暗鬼でした。確認に30分以上かかったので、書斎から妻の待つ部屋へ向かうと、また駄目でホテルの予約も済ませたのだと思われていたほどです。

2日制は、日本からの飛び込み受験生には大いに有利な変更で、スケジュールが圧倒的に楽になりました。
滞在日数が少なくて良いですし、終わってから平日金曜の夜に東京に戻れます。仕事をしている人にとって受験スケジュールは死活問題で、私自身も試験終了後から普通に日本の仕事をたくさん処理できることができて助かりました。
ちなみに最終受験地はOaklandです。私は他にOntarioしか知らないのですが、たしかに滞在コストは高めですけれど、SFOからの交通の便が良いですし、生鮮食品を買うスーパーも徒歩圏にあって、食生活を重視する私にはとても良い場所でした。治安については色々指摘される向きもありますが、きちんと日中に外出するようにして、場所を選べば、安全に過ごすことはできますよ。

合格発表後はいろいろな方にお祝いをいただき、アメリカ領事館で宣誓を済ませ、年が変わってから弁護士会費を支払って、正式にカリフォルニア州弁護士の肩書で働くことができています。久しぶりに、受験モードではなくなり、睡眠時間を削らなくてよくなったことに未だに慣れないくらいです。不思議なもので、資格者になってみると、それらしいお話が舞い込んで来るもので、カリフォルニア州出身のアメリカ人のスタートアップからご相談があったり、外国の専門家から訴訟提起に関するご相談を受けたり、面白い広がりがあるなと思います。 当初お世話になった専門学校のAbitusさんは、フロリダコースタルローのカリキュラム変更等で、米国弁護士コースの新規受付が停止してしまっているようです。昨春、恥ずかしながら受験生の身分で体験を語る機会があって、そのときのアンケートで前川の合格体験談が聞きたいという声もちらほらいただいていました。せっかくですから、記憶の新しいうちに、体験がシェアできる機会があればと願っています。現在、受験時代の仲間の努力にも、陰ながらサポートできればと思って、少しずつ情報交換をしています。 私は、たまたま恵まれた立場にいて、周りの協力も得ながら、気合と根性でここまで来たというところです。ただ、飛び込み受験生で、日本法弁護士で事務所を経営しながら、という例はあまりないことかもしれません。その特異な経験を活かして、またチャレンジを続けていきたいですし、続かれる方々をサポートしていきたいと願います。
2016 February California Bar Exam Update - July以降受験のための方向け参考
Ontarioで受験しました。現在LAXのラウンジです。次以降を受験される方の参考情報として、出題内容の概要だけお知らせしておきます。
山を張るのはいけませんが、前回の出題内容は実際に対策上かなり役に立ちますからね。なお、試験直後の個人的な認識ですから、内容の正確性は保証できません。あくまで参考までにとどめておいてください。

1日目
Essay Q1 Wills/Trust+Remedies
HouseとRanchを持つTが、Houseだけ(だったかな)を対象にInter vivos Trustを作ったが、数年後(Years later)今度はTがWillを作成、その中でTrustは全部撤回するとした上で、BeneficiaryやTrusteeなどの要素を全部変更、今度はHouseとRanch両方を処分することにした、Tは亡くなるが、当初のTrustで名前が上がっていた2人はあとで作られたWillを知って驚いた、各人の権利、後の方のWillでBeneficiaryとされる人間はどういう救済が受けられるか、といった内容。

Essay Q2 Torts
おかしなFactでした。宇宙人が人間を制服する?というような奇妙奇天烈なことを信じていて、宇宙人が人間の形をして存在していると信じ込んでいる人間Sがいた。
Sの近所のNさんは、自分の庭にSの子らが立ち入ることがあったので、やめてくれとSに言うと、Sは言い返して「I will kill you」と口走った。
その後、Nは再び注意をすると、Sは言い返した上で、チェーンソーを持ち上げ、このbabyで首をちょん切るぞ、と口にした。
道路の向かい側でSがチェーンソーをNに向けて持ち上げているのを見たPさんは、道路をわたってSを殴り倒し、Sは怪我をした。
Sは、Nの車のブレーキを切って、宇宙人に思い知らしてやろうと思ったが、Nはブレーキのことを知らないままPに車を貸し、Pは事故に遭ってしまった。
設問は3つ。N vs S, S vs P, P vs SのそれぞれのCauseと認められるかどうか。

Essay Q3 Professional Responsibility
久しぶりに、PRがフルで聞かれました。Lawyer(女性)は、Contractor(男性、依頼者)と性的関係があったところ、難しい建築瑕疵(だったかな)の事件について依頼を頼まれた。Cはお金がなかったので、Lに半額で受けてくれと頼むと、LはContingentを認めてくれと言い出す。Lは建築瑕疵を取り扱った経験がない。
その後も性的関係は続くがLとCとの関係はよくなくなってくる。LはScheduled Conferenceにうっかり欠席。
ただ、事件自体は請求を認められて回収が得られた。いざ回収額からLが思う報酬額を控除してCに返金するが、Cは半額の意味が違うといって、もっと返還されるべき金額があると言い出す。
Lが事件を受けたこと、Conferenceに欠席したこと、報酬や預かり金についてどうすればよかったかといった設問。ABA・CAルールの指定はありました。

Performance Test A (Objective Memo)
偶然でしょうか、弁護士が顧客からの預り金を指摘に流用したという疑いをかけられ(ただ500ドルだったかな)、State Barの調査が入り、懲戒処分を受けるにあたって、その根拠4つくらい(すぐに返金しない、まぜこぜにした、調査非協力など)それぞれに整理をして、認められるかを検討するためのObjective Memoの出題。File、Libraryとも分量多めでした。

Essay Q4 Remedies/Rescind, Reformation
保険会社と契約者との間の紛争。Aさんが自動車保険に加入、被保険者は娘のD、対象車両はTとV。保険会社InsuCoは車両がAの住んでいる否かのエリアで乗られるというAさんの申告をもとに、Cityよりも低い保険料でPolicyを発行。ところが、実際、Dは保険料の高いIndustrial Cityエリアの大学に通い、TをIndustrial Cityで走らせていた。
Aさんは保険のリミットを50万ドルにあげてくれと保険会社に依頼、これに対して保険会社がPremiumを払ってくれたらOKですよと返答。Aは実際にPremiumを払う。
その後、AがDの大学の卒業式に出向こうとV(もう一つの車両)に乗って出来かけようとしたところ、変更後のPolicyが届いたが、PolicyにはLimitが合意額の半額25万ドルと書いてあった。Aはこれに気が付かず、自動車Vに乗り、多重事故に巻き込まれた。
保険会社は保険契約をRescindしたい、Aさんは保険契約リミットを50万ドルとReformして欲しい、という主張で、それぞれが通るかどうか。Remediesもこういう出し方は初めてかもしれませんね。

Essay Q5 Evidence (California)
社長Mike、管理者S、従業員P、D、Eといる会社で、Pが解雇された。その時、Dがメンバーに向けて、Pが解雇されたこと、解雇理由は金を盗んだことだ等というEmailを送信。
PはそれがDefamation名誉毀損だとしてDを訴えた(民事事件)。
Emailについて、Eは会社で受信したこと、他の大量のメールとともにDから受信したことを証言。
Sは、Pが現金を盗むのを見て捕まえて、糾弾したが、Pは黙って立ち去ったと証言。
Dは、社長室でMとPが言い争うのを漏れ聞いたこと、Pが泣きながら「1人にしないで」等と叫んだが、Mは冷静なトーンで「もう終わりだ、自分のことを考えろ」と応じた。
Email、Sの証言、Dの(i)PからMに対する言葉、(ii)MからPに対する言葉それぞれの証言の証拠能力如何。Californiaルールで回答するよう明確に指示されていました。

Essay Q6 Contracts (UCC)だと思う。
サーフボードを作る会社が、ある化学製品を作る製造会社から製品を購入したい、また期限は具体的に指定するとオファーを出した。
これに対してメーカーは所定の用紙で応じたが、Warrantyは付けない、Consequential Damagesを放棄するとか、申込者の同意があって初めて成立するとか追加条項3つを記載した書面を返送。申込者は何も返答しなかった。
メーカーから商品が届き、買主はこれをチェックすべく一部を使用したが、サーフボードの表面は意に反して硬くならず、ボード50枚だったか、が無駄になった。
買主はメーカーに返品。このままではサーフボードのラインが止まってしまうと危惧して、買主はメーカーに伝えず、メーカーの競合他社から少し高い値段で同じものを調達した。
その後メーカーは、履行期限後、代わりの正規品を提供しようとしたが、買主はこれを拒絶した。硬くならなかったのは、当初製品にManufacturing Defectがあったからだった。
買主から売主へ無駄になったサーフボードと代替品購入による差額保証の請求、売主からは買主が代替品提供を拒んだことの責任を問うというもの。

Performance Test B (Persuasive Memo)
離婚にあたって夫婦共同財産等のSettlement Agreement(和解契約)が締結され、その条件としてSGという投資会社の投資口座からHが20万ドルを引き出してWに金銭で渡すという約束があり、それは履行されたが、事後、SGのファンドが破綻したので、H側が当初合意がMutual Mistakeによるものだと主張して訴えでたので、これに答弁するためのPersuasiveなメモを作るタスク。こちらは文書量が少なく、かつメモ作成にあたってFactの概要説明を冒頭にすること、回答ごとのHeadingの書き方、事実やルールの引用の仕方などのインストラクションが詳細に記載されていました。

以上です。個人的にはEssayQ2、Q6に不安がありますが、それ以外はまあまあかなという感じでしょうか。
Q2はファクトが無茶苦茶だったのでなんだろうかと当惑したのが正直な感想です。
基本はBatteryとかTrespass to Chattelとかおそらくそういう不法原因に該当しそうなのはあまり争いがなくて、例えば正当防衛や緊急避難が認められるか、また宇宙人の関係でCapacityに問題はないのか、行動にあたっての認識がどうであったのか(Special / General intentで変わりそう)というところでしょう。Sが脅していたのは間違いないですが、Sの主観ではNは宇宙人でしょうし、Nさんがじゃあ怖がっていたかというと、そこもはっきりはしない。
面白い問題なのでしょうが、私には今ひとつ何を聞きたいのかピンと来ず、IIEDとか沢山書き出すことにスコアが配分されていたら、あまり良くないだろうなという予想です。

Q6はManufacturing Defectとあったこともあり、Product Liabilityにも言及したのですが、そっちはあまり問題でなかったかもしれません。
UCCではPerfect Tenderですから期限遅れは直ちにBreachです。ただ、売主はCoverできるとされています。Battle of Formsの問題もあるでしょうし、諸々考えるとPLなんて言っている暇はないしそこはポイントでなかったんだろうなと思います。

ともあれ、昨夏は合格率が何年かぶりに低水準、MBEのスコアも低かったらしいですが、今回はかなりSpecificな問題構成で、MBEもどちらかといえば難易度は緩和されたような印象があります。ただ、あくまで合否はScalingでどうスコアリングされるかがポイントですから、問題がどの程度の難易度で、受験者のレベルがどうで、State Barとしてどれくらいの数を通そうというのか、というところで大きく変わるように思います。

Ontarioで受験し、快適ではあったのですが、1日目の午前、試験開始直前に非常ベルが鳴って、いったん全員会場外に出されるというハプニングがありました。さすがにこんな経験はなくて、もしお流れにあったらどうなるんだろうと気が気でなかったです。追試されても予定が確保できませんし、費用も米国内の人間とは比べ物になりませんからね。
ともあれ、私自身は終わったことはそれとして、自分なりに手応えがあったもの、解決すべき点がこれまで以上に明確になったという印象ではあります。5月の発表まで引き続き勉強は続ける予定です。
とにかくも、無事に行って戻って来れたことを感謝します。米国内の別の州では銃撃事件があったとか、また1日目のハプニングが回復不能なことだったらと思うと、安心安全が何にも代えがたいでしょうからね。

月末予定+Feb2015CA司法試験sample答案公開
いよいよ月末に試験が迫っており、私も事務所を開けることになります。
お客様にはご不便をおかけしますが、他の弁護士やスタッフで十分対応できる環境にありますので、案件のご相談はご遠慮なくいただければと思います。

さて、受験生の皆様、ようやく前回2015FEBのSample答案が公開されました。
Feb2015-Essay Questions & Selected Answers
最近Selected Answersの公開が遅く、前回もアメリカに居る間にようやく公開だったので、まだ2週間前なら許容範囲というところでしょうか。

過去の経験に照らすと、直前回のQuestions & Selected Answersは、現行の司法試験委員会の出題傾向や採点傾向を生々しく示すものなので、詳細な分析が必要だと思います。以前は傷口に塩を塗りたくるようなものだったのでちゃんとできていなかったですが、前回きちんと復習・分析したおかげで、気づくポイントがあり、それが多少成果に繋がった部分はあります。

基本的に、同じ問題は次に出ないですし、違う科目が出題されることが多いともいえますが、年によっては前回出題科目の半分が出題されたりしますから、このsampleを見て、科目や論点の予想をしたり、力点を外すのはリスクが大きいと考えておいたほうがよいでしょう。
ContractsのAnticipatory Repudiationは頻出ですしRemediesと重ねられる部分です。
Tortsが続いているから出ないだろうと思ったらまんまと外されたということもあります。

一つ言えるとすれば、Cross Overの出題傾向が高まっているかもしれないということでしょうか。これだけやって、特にインターネットベースで受験者や予備校が過去問題を収集していると、新しく出題する箇所がほとんどないんですよね。かといって山を貼られて合否が決まるのではフェアじゃないですから、できるだけ多くの科目を横断的に出題するという需要が彼らの側に生じるのは自然なことです。
実際、弁護士になった後、例えばRemediesが分からないのに、ContractsやTortsといった実体法ばかり分かっていても使い物にならないでしょうし、日本とは違ってUS ConstitutionはFirst Amendmentを筆頭に、各実体法の解釈や要件定立に影響を与えていますから、実務家になったら憲法なんて使わないということもないです。

彼の地では司法修習もないですし、実務家になって1年目の弁護士としてMinimum Competencyを有するというのをジャッジしたいだけですから、地道にそれをアピールできるかということなのでしょう。
あと残り少ないですが、それでも時間はまだ残されています。受験される方、一緒に乗り切りましょう。

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