大阪市住吉区で2004年、当時の大阪地裁所長が襲われた強盗致傷事件で、無罪判決や少年審判の不処分が確定するなどした元少年ら5人が、国(検察)と大阪府(府警)、大阪市(児童相談所)に計約6千万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が28日、大阪高裁であった。
坂本倫城(みちき)裁判長は1月の一審・大阪地裁判決と同様に、府警の取り調べで暴行や自白の強要・誘導があったと認定。身柄が拘束された期間に応じて2人の慰謝料額を変更し、改めて府に計約1450万円の賠償を命じた。5人は「検察は控訴するなどして決着を長引かせた」「児相は警察官の違法捜査を黙認した」と主張していたが、検察と児相の責任は認めなかった。
5人は04年2月16日夜、大阪市住吉区の路上で、帰宅途中の地裁所長(69)を襲って腰骨骨折の重傷を負わせて6万3千円を奪ったとして逮捕、起訴、家裁送致されるなどした。だが、14歳未満で刑事処分を受けなかった1人を除く4人に対しては、08年9月までに無罪判決(2人)や無罪にあたる保護処分の取り消し(1人)、不処分(1人)が確定した。