FC2 Blog Ranking 前川弁護士blog 2012年06月
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 前川 直輝

Author: 前川 直輝
最終学歴 京都大学法学部
司法修習 54期
カリフォルニア州弁護士
Maekawa国際法律事務所・代表弁護士
https://maelaw.jp/

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司法修習の風景~実務修習・弁護
今日もとても良い天気。ほんとに梅雨なんだろうかとう陽気ですね。
さて、シリーズ3回目、検察・刑事裁判に続き、今度は弁護修習の記録です。

弁護修習は年明け1月から4月までの第3クール。
私にとっては就職先も見つかり、入籍もして、結婚式の用意などでバタバタしましたが、一番ゆったりとしたクールでした。
当時の大阪修習では、配属される弁護士の先生が2人いて、基本的には主たる指導担当の弁護士さんにつくのですが、2週間ほど別の弁護士さんにも指導してもらえる、という体制になっていました。
弁護修習は、とにかく指導の先生がどなたであるか、どんな事務所であるかによって、随分と印象が違います。色々と教えたい、というスタンスの人もいれば、修習生だからといって特別扱いはせず、自分の背中を見て学べというスタイルの人もいます。なかに、本当に忙しくてほったらかし、なんていう人も聞いた覚えはありますが、それはそれ、官庁とは違うので、つてをたどって他の弁護士さんの案件を体験させてもらうことはできますから、自由がききます。

私は、どちらの事務所でも、弁護士さんはもちろん、事務局の皆さんにも、とてもよくしてもらいました。実際に今も大阪で登録しているということもあるのですが、当時の修習先の事務所の先輩が同じビルの上の階にいらしたり、指導の先生にもばったりとお目にかかることもあり、いまでも交流があって、ありがたい話です。

さて、そういうわけで基本的には法律事務所で修習しますので、その弁護士、事務所での取扱事案がそのまま経験となります。私の配属先は、複数の弁護士さんが所属されていて、各人の興味もまちまちで、実に多士済々が揃った事務所でした。私もいろんな先生について、相談に立ち会ったり、裁判に同行したり、色々体験させてもらいました。
記録簿を見ると、倒産、離婚、交通事故、建築、債権回収、手形、労働と、数えきれないくらい相談などに入らせてもらいました。生の依頼者の声を体験するのは初めてですから、自分が相談に回答するわけでもないのに、一件一件、気が重くなったのを覚えています。
指導の先生もフレキシブルで、今日はあの人がこんな変わった件があるというから付いていってみたら?と毎日のようにプランを提供してもらい、飽きるということがありませんでした。

訴訟も起案や法廷立ち会い含め色々やっていたようです。変わったところでは詐害行為取消訴訟も体験していて、確か民法で苦手な分野だったので、自宅にあった基本書(教科書のこと)を慌ててひっくり返していた覚えがあります。

訪問した場所も、法律事務所、裁判所だけでなく、医療過誤の証拠保全で病院に行ったり、裁判の尋問でもテレビ会議システムを見せてもらったり、大規模な弁護団事件の会議に出向いたり、当時佳境を迎えていたハンセン病訴訟で施設内の検証に立ち会ったり。
土地明け渡しの強制執行では、明渡命令をとって実際に占拠者と対峙する現場も体験し、内心ドキドキでした。
刑事弁護も5,6件同行し、なかには実際に被疑者に質問させてもらえたときもありました。

大阪の弁護修習のウリの一つは、研修の豊富さとその内容の充実があります。
民事刑事全般にわたって豊富なメニューを提供されます。
民事では交互尋問や模擬法律相談。尋問では先輩弁護士さんとチームを組んで、被告側代理人として反対尋問に挑みましたし、法律相談では確か手を上げて相談担当の弁護士役で、仲間の前で相談対応したような記憶です。
刑事捜査弁護、公判弁護のゼミは、現在も脈々と受け継がれていて、弁護士数名が修習生に対して手続き全般にわたったロールプレイをしてくれます。就職先の先輩弁護士が担当のこともあって、その名(迷?)演技に腹を抱えて笑い、前川くんはいい事務所に行くんだねと言われて嬉しくなった覚えがあります。
現在は私が講師として担当させてもらっていて、自分が楽しんだ、ためになったと思えたのと同じくらいの研修にできるよう努力しているところです。
そういえば、弁護士会組織の説明をテーマにした講演では、現在の大阪弁護士会会長がお話してくださっていたようで、なんだか時の流れを感じます。

体験型の研修では、特別養護老人ホームで3日間研修するというものがありました。
1日目は施設に関するオリエンテーションがあった後、介助の必要な利用者の方の配膳、手洗い、片付け補助をしましたし、ちょうど節分の時期で、ぬりえを一緒に手伝ったりしました。
2日目はデイサービス、3日目は外回りでヘルパーさんについて、在宅介護を体験。
なかなか騒がしいことだったと思いますが、利用者の皆さんが気軽に話してくださったり、スタッフの方の協力もあって、介護の仕事の大変さを実感するとともに、老いていくことの難しさ、厳しさ、また世代間の助け合いや交流の重要さも感じ取って帰ってきたと思います。
今はプライベートで老人ホームなどへの慰問活動を続けていますが、遠くでそれが繋がっているのかもしれませんね。

私は修習は基本的に休んだことはありませんし、専念義務があるので軽々しく休めないですが、このときは結婚式と新婚旅行の時期で、3日の旅行休みをもらっています。修習生が休暇を取得するには申請が必要で、出したはいいけど不許可にされたらどうしよう、なんてちょっとビビっていたのが思い出されます。
沖縄に行き、生まれてはじめて飛行機に乗り、ドライブをしたり、おいしいものを食べたり南の島を満喫しました。結婚式、パーティーでは多くの友人にお祝いをしてもらい、本当に楽しい時間を過ごせました。このときの友達は私の側も、妻の側も、今でも何らかの形で付き合いがあって、本当に貴重な存在だなと実感します。

概して、弁護修習は自由度が高く、指導の先生や周りの方に恵まれて、色々な立場の人々の思い、法律紛争の様々な段階、側面を体験することができ、自分が弁護士を職業として選択し、本当によかったと思えたと同時に、なんと責任の重い仕事なのかと背筋が伸びたように思います。
勉強は足りていなかったとおもいますが、そのかわり手が届く機会にはすべて顔を出し、修習を満喫していたと思います。

指導担当の先生から言われたことで今でも覚えていることは、「弁護士は7:3の姿勢が大事だ」というアドバイスです。
もちろん依頼者に雇われて、その人の利益を確保し、報酬をもらう仕事ですから、依頼者の方に顔を向けていなければならないし、相手のことばかり考えては、誰の弁護士なんだと不満を抱かれてしまう。
ただ、依頼者のためだと熱くなりすぎて、相手の立場に思いが至らないようだと、事案処理の上で思わぬ落とし穴を見落としたり、紛争解決が和解や示談が圧倒的多数だということからすると、十分な交渉ができなくなる。それに、窮鼠猫を噛むじゃないですが、社会紛争で、あまりに相手を追い詰め過ぎるのは、かえってよくないことがあるのだ、とも言われた記憶があります。

その当時はそんなものかなと思っていましたが、弁護士になり、現在11年目になって、その言葉の重さを感じます。
依頼者に最善を尽くすという姿勢はもちろんですが、事案全体としてのあり方、あるべき姿というものも頭に入れて、場合によっては各関係者の利害に目を向けて職務を遂行する。なかなか難しいことですが、それが我々の仕事の重要な部分であり、難しいところであり、面白いところなのだろうなと思います。

さあ、次はいよいよ実務修習最後の民事裁判。
そろそろ後期の集合修習や修了試験(いわゆる二回試験)も気になる季節です。しかし、3つの修習現場を経たせいもあって、見えるもの、学べるものの幅が広がっていたのか、とても充実していた感じをもっています。
また次回にご紹介します。
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