FC2 Blog Ranking 前川弁護士blog 2013年04月
FC2ブログ
前川弁護士blog
弁護士の日常を書いております
フリーエリア

Facebookのアカウントです。ファンページもあります。

プロフィール

 前川 直輝

Author: 前川 直輝
最終学歴 京都大学法学部
司法修習 54期
カリフォルニア州弁護士
Maekawa国際法律事務所・代表弁護士
https://maelaw.jp/

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

# カリフォルニア州司法試験の記録2~California Bar Exam
投稿が随分空いてしまいましたが、忘れないうちにカリフォルニア州司法試験の受験体験を残しておくことにします。
前回の概要説明は以下の記事をご参照ください。
カリフォルニア州司法試験の記録1~California Bar Exam

【試験当日の要領】
前回の記事でも記載しましたが、会場の下見はしておいたほうがよいです。
Marriott Oakland City Centerに宿泊される方も、会場の場所までどうやって行くか、当たり前ですが確認しておいた方が良いです。特に、試験当日の朝は、エレベータが混み合いますし、受験生たちが友達どうして乗りあわせてきて、多少騒がしいです。いくつかのルート、特に階段で行き来する経路は確保しておいてください。

当たり前ですが、持ち物は確認しておきましょう。
司法試験委員会のサイトや、受験票とともに送付されるInstructionはくまなく読んで、忘れ物をしないようにしたいのです。気をつけるべきは、これらの持ち物を透明の袋に入れて持って入る必要があることです。ですから、ジップロックは必携ですし、予め必要なものがちゃんと入るか、確認しておきましょう。

ここから五月雨式に試験日の状況を記載しておきます。無関係の方には、何が何やら分からないと思いますし、受験を検討されている人にもどこまで役立つかと不安です。
少なくとも、次回七月に受験される人たちには出題箇所が大凡わかるだろうと言うことで、ご容赦ください。

【試験1日目】
Feb 26 (火)
8:20 会場入り。既に多くの受験生で通路はごった返している。
持参品はパスポート、受験票(上の部分を切り取る)、ペン、蛍光ペン、時計(4インチ四方以内)、 ポストイット、部屋の鍵、耳栓。部屋の入り口で受験票と持ち物の過不足チェックを受けて入室。
座席に着くと、エッセー一問ごとの色付き厚紙が3枚あり、スクラッチペーパーを入れる封筒に、日付、Applicant Numberなどを書く。
Softestという専用ソフトを立ち上げて、指示書通りにパスワードを入力し、ストップのサインが出たところで待機する。パスワードは毎回それぞれ違うものがInstructionに書いてある。この点を理解しないで、慌てている学生さんもちらほら。
アビタスの説明ではパソコンはWindowsが前提となっていたが、SoftestのサイトにあったとおりMacでも全く問題がないし、むしろ周囲では多数派であった。

試験は9時過ぎに開始したが、ぴったりには始まらない。残り1時間、15分、5分、30秒前にそれぞれ案内がある。

午前はエッセー、
1問目Crimes、2問目Professional Responsibility、3問目Remedies。

2問目から。PR弁護士倫理。Issueは拾えたが、この問題で65分くらいかけた。やはり生まれて初めてのエッセーは緊張があり慎重になったようだ。
事案は、弁護士が相手会社の元従業員をランチに誘い、相手の弁護士と元従業員の会話を聞きだした、
依頼者がDepositionで嘘をついた、
依頼者に黙ってsettlement締結して、書面作成した、というもので、弁護士の各種dutyを分析する問題。やはり弁護士をやっていると大凡の嗅覚はあるので、多少はわかりやすい。

1問目。刑法で共謀罪Conspiracy。盗品譲受に関する共謀罪。いずれも明確に言葉を交わしていないが、親子で、何となく怪しい、それぞれが盗品であることを認識するに至った経過やタイミングが違う。基本の盗品譲受罪の犯罪成立要件を検討すべきだったが、あっさりとしか書いてない。
誰が何を犯し、どのタイミングで行動したか、動詞に色をぬるとかして、混乱を防ぐのが肝要。小問が複数あれば比較が必要だが、そこまでは気が回らず。

3問目。Conversionに絞り、RemediesとDefenses論述させる問題。
LienとUnjust enrichmentは思いついたが、ほぼノーマークで真っ白。開き直って、自分なりにルール規範を書いて、勝手に事実関係を当てはめて行った。

3時間で3問ははじめてだった。ギリギリだったが、30秒前には書き終え、最後までやりきった。

終了して1時間昼休憩。部屋に戻って食事などを取れたので良かった。予想通りエレベーターは混み合い、階段で6階まで行き来出来たのは大正解だった。

午後はパフォーマンステスト。13時30分説明開始。このときも14時開始くらいか。
案件は、若いDrと医療グループ間の契約中のnon-compete Covenantの有効性について意見をまとめなさいというもの。
Instructionのあと、Libraryから検討に入った。記載されている法的要件をピックアップしてタイプしていったが予想より時間がかかった。
3日目とくらべて、時間の切迫度はややましだったが、推奨された時間配分である1時間30分では読みきれず。
夕方16時には目が霞んできた。やはりちゃんと寝た方がよいし、糖分、エネルギー補給の仕方に工夫が必要だと感じた。

終了後は受験生がごった返しそうだったので、最寄りのレストランで早めの夕食をとり、1時間ほど仮眠をして、翌日の勉強。科目が一日目と重複する箇所は、答案の粗が思い出されて辛かったが、翌日に集中。

【試験2日目】2月27日(水)
午前午後ともMBEでマークシート試験。
回答書に社会保障番号SSNを記入するところはあったが、書かなくてよいと言われた。

この日は8時30分入り。一日目と違い、ラップトップの設定案内が不要だったので、9時より前にはじまった気がする。
肝心の問題は、一問ずつ読むのに時間がかかるし、出だしはかなり慎重になってしまった。
前半から3時間。4,5問はほんとの当てずっぽうだが、長い文章の問題でも一問の点数は変わらないと割り切って、あとは運にかけることに。過去問題と似た傾向だとは思うが、緊張もあってか、四択から二択に絞ったあとが難しく感じた。

二日目はランチタイムも1時間半は確保出来た。

午後に入ると、さらに時間が足りなかった印象。
前半は3問飛ばしくらいで配分した時間通りだったが、後半スピードがかなり落ちて焦ってしまうことに。

やはり、3時間で100問のシミュレーションはしておくべきだった。自分の集中がどこまで続くかも管理することがとても重要。

ともあれ、3分の2を消化し、もう出題がないであろう試験科目のノートを悪い思い出とともにスーツケースに仕舞い込み、3日目の出題可能性のある科目に集中する。

【試験3日目】
午前、集合は8時30分といいながら、説明がはじまっても厳しくないので、みんなギリギリまで外にいてカードなどを見ていた。

さて、エッセー二回目。
Q6.Partnership&Corporation会社法。
2人でSoftware companyを作り、法人化をする準備をしたが、弁護士がミスでFilingしなかった、つまり法人は設立できず。
1人が見込み客方に移動中交通事故で第三者を怪我させた。
その後Companyの名前で銀行からローンを借りた。誰がどこまで責任あるかという問題。
出るだろうと踏んでいたし、直前に手を付けていたから、なんとか書けた。法人未成立時の責任について論ずるなんて自分の司法試験のとき以来だなと妙に感慨深い。

Q5 Civil Procedure民事訴訟法。
Discoveryで、P原告が公害関係の訴訟を提起後、文書提出を求めていたところ、D被告(会社)がirrelevantだからといって拒絶。リストを出してきて、Counsel弁護士の意見を含むWork Product(弁護士作成にかかる秘密の成果物で、保護されるという法理)だといって拒絶。
一審裁判所はこれを認めたが正しい判断であったかどうか。
その後しばらくして、新しい調査結果が出たので、原告がStrict Liability請求を追加的に変更してきた。
DはStatute of Limitation出訴期間の制限にひっかかって却下されるべきとして答弁motion to dismiss。どうすべきか。
日本でもありそうな話だが、ディスカバリーなんてまともにやっていないので、かなり大雑把な議論をした。何とか書けたが、この辺りは現地ロースクールでは授業でやることだろうから不利は否めないか。

Q4. Torts不法行為。
害虫駆除薬剤を自分で使い、消費者にも売っていたが、業界ではユーザーがinstructionをまもらないから販売されていなかった。
DがAに売ったら、濃度を間違って濃くしてしまい、ユーザーが使ったら、隣家に煙が行って、隣家に住むPが肺を患った。
Dに責任があるか。Strict liability厳格責任, Negligence過失責任, Proximate cause相当因果関係などの論点.
また、Pが将来の肺がんの危険を恐れた損害は請求できるか?との問題も。
不法行為は絶対出ると予想されていたので、一応かけたが、ほかの受験生はもっと書いているだろうから、差はつかないだろう。

取り敢えず、だいたい均等に3つは書けた。とりあえず、であるけれど、何も書けずに途方に暮れることはなかったから良しとする。

午後はPT。
Logging森林伐採加工業をするのに、森林保有者と口頭で契約し、その後Loggingする方から確認のため、何とも曖昧な手紙を送ったが、森林の持ち主は奥さんと折り合いが悪くなったせいか、突然契約なんてできていないと履行を断った。ContractがEnforceableかどうかという契約の実行可能性の問題。
ライブラリの冊子には、法令Codeと、条文に関する参考意見opinion、関連する判例が3つあった。裁判例を読み慣れていなかったこともあり、かなり反芻して時間をかけすぎてしまった。
結局書くのに1時間くらいしかとれず、完全に時間切れ。少々悔しい最後となった。

実況中継はこんなところです。
出来や合否は悲観的でいますので既に7月の試験に準備をしています。
ただ、ともかくも毎日2時間くらいの睡眠時間で試験に没頭出来たことは自信になりましたし、貴重な体験でした。

さて、受けただけではいけませんから、良かったこと、悪かったことを反省しておかないといけませんね。受験は面白かったですが、何回も試験のためだけに海外渡航したくはありませんからね。