FC2 Blog Ranking 前川弁護士blog 2015年04月
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 前川 直輝

Author: 前川 直輝
最終学歴 京都大学法学部
司法修習 54期
カリフォルニア州弁護士
Maekawa国際法律事務所・代表弁護士
https://maelaw.jp/

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姿勢とメンタル
30の手習いではないですが、なんの音楽的素養もない、どちらかというとスポーツ人間だった私が、大人になって、この仕事をし始めてから、フルートを習っています。もうかれこれ10年近くでしょうか。基本的に、野球を除くと、何かにハマるということがない人間としては、それは奇跡的なことですらあります。

続いている理由は、2つ。
1つは、妻が子どものころからやっていて、二人で共通の趣味で楽しめている、幼稚園・小学校や老人施設、各種懇親会などで演奏する機会があるというのが大きいです。どうしても就労時間が長くなりがちですから、一緒に家族と時間を共有するきっかけはあったほうが幸せだと感じます。演奏仲間や訪問する先々で出会う子どもたち、お年寄り、ご病気や障がいを抱えた人々や、そういった人の家族、取り巻く職員の方と、仕事を離れて分かち合う時間は、何にも代えがたいものがあります。

もう1つは、習っている先生が良いということです。仕事がどうのこうのと言い訳をして練習をしないものですから、一向に上手くならない不出来な生徒ですが、それでも練習不足を怒るでもなく、粘り強く教えてくださいます。素人のくせに大げさかもしれませんが、音の作り出し方は、今の先生に習う前後で全く違いますし、フルートを吹くのがとても楽しくなっています。

面白いのは、フルートを上手に吹くために必要な要素は、仕事でもたいてい当てはまるということです。
日々の鍛錬が必要だということはもちろんですが、それ以上に、必ず勘所はあって、動かない原理原則があるということです。
今日などは、突然楽譜を置いた譜面台を取り払われ、自分の吹いている姿勢を鏡で見ながら、堂々と人に向けて吹くように、と言われました。暗譜もできないし、と不安になってつまずきながら音を出します。上手く吹けないから最初は落ち込むのですが、胸を開いて、フルートを真横に構えて、足で地面を蹴って重心を落とし、少し上の方を見るようにすると、格好だけでなく演奏自体も知らず知らず自信満々になるのですね。知らず知らず、自分はスティービーワンダーみたく体を揺らしながら演奏していたのですが、結局それでは音が不安定だし、しっかりと息をお腹で支えて安定した綺麗な音を出せていなかったということに気がつきます。心の不安や準備不足、焦りといった感情は、図らずも私の姿勢、身体の挙動に正直に表れていたということなのですね。
それはそれは、なかなか面白い体験です。

よく考えると、弁護士をしていて、割合に姿勢や身体の使い方には気を使っているように思います。
最近は特に、裁判官、検察官や弁護士さん、その他の人たちの顔を見て、ゆっくり話すようにしています。おかしなことなのですが、弁護士をやっていると、専門家どうしなのに会話が噛み合っていないという場にしばしば遭遇します。そういうときは決まって、お互いに顔を見ておらず、ずっと手元の書類やパソコンに視線を落としているんですね。そして、そういう姿勢では声が前に行かないし、周りに届かないから、説得や交渉にならず、自分の意思が伝えられません。どうしても言葉に注意を払う仕事だからかもしれませんが、他方で、人間がコミュニケーションで獲得する情報の大半は、視覚によるそうですから、目線や表情、肌ツヤですとか、身体の挙動、着ている服や持ち物といったところを見ないのは、圧倒的に不利だと思います。

さらに先生とお話していて気付かされたのは、顔を上げて他人の目を見るのには、勇気がいるということです。目の動き一つとっても、相手にそれを晒すことは、自分の感情を読み取られる不安と裏腹です。仕事でポーカーフェイスを気取り、下を向いているというのは、防御姿勢としてはあり得ることなのかもしれません。ただ、それはまさしく守ることができるというだけで、周りとの関係でいえば、何も変化を起こしていないということに他なりません。時事刻々と物事が動いていく中で、その静的な態度は、現状維持ではなく、むしろビハインドであると知る必要があるのではないでしょうか。勇気を持って上を向き、自分を晒す、出せるよう、準備を整えておく、技術を磨いておくことが大切だと感じます。それは楽器を演奏して何百人何千人を感動させることに比べれば、造作もないことのはずです。

楽器を演奏するというのは、周りの人に音を届け、何か感情や意図を伝えるという作業です。それは本質的にコミュニケーションで、手法が違えど、仕事で人と触れ合うときに要求される技術の基礎は同じです。自分に自信を持って良い姿勢、身なりで準備し、周りに関心をもち、反応が返ってきたらそれを正しく感じ、理解する。
特に、音楽の場合は、しのごの言わず、生の音で表現されますから、自分にも周りにも結果は明らかなのですね。その意味では、仕事の方がまだごまかしがきいているのではないか、とすら思います。

他者に正対して、誠実に意を尽くす人は、多少技術が劣っていても、必ず他人に何らかの変化を与え、結果として状況を変えることができます。自分が練習不足である言い訳をしてはいけませんが、先生からレッスンで求められる要素は、どんな状況であれ、一つずつ学びながら、大げさに言えば人生の各所で生かしていきたいものだと思います。

やはり何でも良いですから、仕事以外の趣味、世界を持っておくことは大切だと、年を重ねるごとに思いますね。
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