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 前川 直輝

Author: 前川 直輝
最終学歴 京都大学法学部
司法修習 54期
カリフォルニア州弁護士
Maekawa国際法律事務所・代表弁護士
https://maelaw.jp/

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Cal Bar Examのスコアから分かること~July 2015を目指して
2015 Februaryの試験は残念な結果となりました。さすがに凹んでいたのですが、立ち上がってJuly試験、Ontarioで受けることにしました。受験される皆様、目標を達成できるよう頑張って参りましょう。

不合格の場合、まずスコアが郵送されてきます。その後しばらくしてから答案も返却されるのですが、添削はないですし、最近は直近の試験のサンプル合格答案の公開が遅めなので、自分の記憶などから検討するほかありません。落第していて色々書くのも恥ずかしい限りですが、今回は合格ラインに少し近づいたのと、スコアから分かることもあったので、備忘も兼ねて記しておきます。

受験される方はご存知のことですが、カリフォルニア州司法試験はScaledスコアで2000点中1440が合格ラインです。うち35%がMBE(マークシート)、65%がWritingです。Writingは素点合計が1000点、うち400点がPT2問(AとBそれぞれ2倍される)、うち600点がEssay6問です。
MBEについてはAdaptibarのようなサービスもありますし、基本的に正解不正解がわかりやすいのですが、Writing部分は何をどうすればいいのか、自分もなかなかピンときませんでした。ただ、今回は、受験後の感想に書いたように何となく勘所のようなところはわかった気がしていて、それがスコアにも反映されていたので、とても腑に落ちています。

Writingスコアで1390から1440の直前50点のレンジに入った受験生は、採点の恣意性を排除するため答案が違う採点官で2度読まれて、平均点をスコアとされます。2回読まれて10ポイントを超えて差が出た場合は、3度目の採点をされ、3人目の採点が確定スコアとなります。
今回、私は恥ずかしながら初めて2nd Readされるレベルにまでなった次第です。
Essayに絞って、スコアとそれに対する考えを記します。順番は科目名、1st Read Score、2nd read Score、Operant Gradeです。
<1日目>
自分の感想↓
2015年2月カリフォルニア州司法試験1日目 - February 2015 California Bar Exam
Essay1-Contracts -70.0 65.0 67.5
Essay2-Real Property-75.0 60.0 60.0
Essay3-Civil Pro(Fed) -60.0 65.0 62.5
<3日目>
自分の感想↓
2015年2月カリフォルニア州司法試験3日目 - February 2015 California Bar Exam
Essay4-Remedies -55.0 50.0 52.5
Essay5-Corporation -65.0 65.0 65.0
Essay6-Wills/Trusts -65.0 65.0 65.0

1回目は合計で390、1問平均でいうと65点。
2回目は合計で370、3回目=結論は372.5点でした。Scaledで合格ラインは62点平均ですからギリギリのところです。PT-Aで大失敗してしまい、MBEも今ひとつだったので届かなかった次第です。

Second Readのシステムは受験生には評判が悪いようで、それで救われる受験生はいるのか?という意見すらあります。ただ、1度目で合格できなかったが、2度目で合格ラインを超えた、という人は外からは分からないので、落ちた人間からすれば恨み節しか出てこないでしょうね^^;
私自身の英語力の限界もありますが、英語が母語でない受験生は1stでさっくり通ってしまう必要がありそうです。6問中3つは2ndでスコアが落ちていますので、じっくり読まれたら粗が出るというのは間違いないでしょう。特に、Essay2のReal Propertyは1stが75、2度目が60と差が大きく、3度目で60となっています。自分なりに形式面はそれらしくできたが、個別の論証は不十分なところが語学力も含めてあったということでしょう。

自分の感想を基礎とした評価ではありますが、私なりに採点傾向を考えます。

1. 採点官への思い遣り。
よく採点官が答案を2~3分で読んでいて、熟読していないという意見がありますが、これは正しいように思います。
1st Readで20点近くスコアが高かったというのが全てを物語っているように思います。「それらしい」答案なら深い検討もなく点数を付けてもらえるということです。
自分も日本の試験の、しかも模擬試験採点でしかなかったですが、採点の経験がありますけれども、とても時間をかけて読んでいるとは思えません。私が思うに、1st Readで合格している受験生でも、慎重に読まれたら合格ラインを下回るというケースはかなりあるように思います。
もちろん際どいところでは運が作用するかもしれませんが、おそらくここで学ぶべきは、「通りやすい」答案というものが必ずあるということです。パッと読めて、特にひっかかりもなく、それらしければ合格する、というのが真実ではないかと思います。

点数が取れている科目は、outlineがしっかりできましたし、ヘッダーにアンダーラインを付けましたし、IRACの構成が忠実にできましたし、Issueごとに行を空けたり工夫していたように思います。読むのに苦労しない答案を心がけること、形式を守ることは何よりも大切だと思います。
人間と同じ、答案も見た目が大事でしょう。
 
2. とにかくIRAC。
IRACというIssue、Rule、Application、Conclusionという論述の流れはとても大事です。
Essay2は、感想を読み返しても分かるのですが、論点がとても多かったんですね。Real CovenantsのTouch & Concernという要件だけは拘りましたが、それ以外は正直事実を引用して即結論、という流れが続いてしまっていました。1st ReadではIssueが主要なものをすべて拾えていて、論述の構成になっていて、しかも当てはめで力を入れている箇所もあったから、自分でいうのもなんですが、「それらしい」答案だったのだと思います。

また、Essay3は、Jury Trialの論点(最後のCall)がほぼゼロでした。そこまでは十分書いたと思いますし、Discoveryのところはマニアックな割によく書けているはずですが、点数は伸びていません。しっかりCallごとに点数が分けられていて、他をいくら書いても補充は不可だということです。Callに沿ってIssueをまんべんなく拾う必要が高いといえます。

3. Applicationあてはめの重要性。
試験勉強をやっていると、外国法だというのもあって、教科書やノートを覚えるということに注力してしまいます。しかし、ruleの記憶を吐き出すだけでは全く点数にならないというのは、過去の点数からも明らかです。
Essayのテクニックで指摘されるのは、Ruleを吐き出すかどうかではなくApplicationが大切だということですが、事実にこだわって、その場で考えて思考過程を書くとしっかり点数がつくことは今回も自分で実証できたように思います。

Essay4は、論点は典型的なものですし、おそらく外してはいません。しかし、土地の所有権、通行権、景観といった各利益が詳しく問題文に書いてあるのに、あまり拾えていなかったわけです。ちょこっとあてはめらしいことは書いているので1stで55ではありましたが、吐き出すだけではどうにもならないわけです。
逆に、Essay5、6は、Callすべてを整理した上で、問題文記載の事実をすべてどこかに引用して書いた記憶です。Issueはひょっとして落としているところがあるかもしれませんが、問題文でひっかかりを感じた箇所、例えばEssay6で被相続人TestatorにConservatorが選任され能力面で問題が生じているという点は、Conservatorのイメージもなかったので困ったわけですが、Willの有効要件という極めて基礎的な知識と、自分の日本法弁護士としての理解とを総合して、事実について評価を加えて結論を導いたつもりです。

Essay5は、Callの2つを相互に比較することと、1つ目で被告(相手方)としてCorpがあって2つ目になかったことに光を当てること、特に契約法と不法行為法の対比が出題意図であることは明らかでしたから、そこに拘ったのは正解だったはずです。

Essay1は一番点数が良さそうですが、Issueを拾えた数でいえばEssay2より少なかったのでしょう。ただし、問題文(とても長かった)を丁寧に拾って、いちいち評価を加えてあてはめたので堅調だったのだと思います。2人の採点官で意見が5ポイントしかズレておらずいずれもPassingだったというのは、Essay2のように当てはめ部分がスカスカでなく、思考が現れていたからなのは、間違いなさそうです。

Febの受験で決めていたのは、Ruleはキーワードは落とさないが最低限しか書かないこと、できるだけ短くしてあてはめに頭を使い、文字数を使うことです。知識面だけでは誤りも多かったでしょうし、物足りないRule Statementはたくさんあると思いますが、そこは問題じゃないということはよく分かりました。

4. 時間管理・1問60分を厳守する。
個人的な課題ですが、しっかりしたEssayを書こうと思うと、どうしても65分から70分程度かかってしまっていました。それは本番でも完璧には解消されませんでした。
スコアにもそれが如実に反映されています。

1日目はEssayの番号順で、Operant GradeはEssay2が60で低いですが、1st readを基準としたら3問目が低くなっています。3問目は唯一2nd Readの採点官が高い点数をつけていて、65となっていますが、当てはめなどよくよく読んでみたら、かけてるじゃないか、ということです。2~3分でさっと読む場合は論点落とし、Callの最後が不十分というのは、間違いなく印象が悪い。
3日目は、Essay6(65)→Essay5(65)→Essay1(52.5)で、間違いなくRemediesの問題文分析があたふたしていました。分量が多かったですし、答案構成はほぼできず、思いつくことの半分くらいしか書けなかったです。

時間不足は訓練で解消可能です。仕事でも家事でも、なんでもそうですよね。
私にはそれが圧倒的に不足していました。それでも書き終えたというのは、奇跡としか言いようがないし、そんな綱渡りで受験すべきではなかったということでしょう。理想を言えば、10分とは言わないが、5分くらいは貯金ができるといいですし、準備段階ではそのように心がけるようにしたいと思います。

5. 問題文に答えがある。
こうして、感想とスコアを比べると、結局大したことは尋ねられていないということを思います。
問題文はA4用紙の3分の2くらいでしかないですし、テストされる主要論点は限られています。覚えるべきルールはたくさんあるし、特に英語だからハードルは高いですけれども、実際正確に記憶して表現できる分量は、人間のやることですから限られています。覚えまくる、ということにも限界があるはずです。

むしろ試験で大切なのは、問題文に対するアプローチの仕方です。これを誤ってしまっては、いくら何を覚えても正しい方向には向かわないと思います。特に、仕事を抱えている大半の日本人受験生にとって、方向性を正しく見定めることは、勉強の効率を高める作用もあり、無視できないように思います。

覚えていること、自分の言いたいことを言う、ということにくれぐれも執着しないことです。
Lawyerのあるべき姿としては逆で、クライアントの話す内容、指摘する事実に謙虚に耳をかたむけること、相手が何をしてほしいと思っているのか推し量ることが実務では大切です。
試験も全く同じだと思うのです。問題文に書いてあること以上に書くことは求められていないし、書いてあることを読めば必ずIssueが拾えるようになっています。そこに答えがあるのに、問題文から離れてしまっては、クライアントのニーズに応えられないし、十分な弁論や交渉が展開できるはずもないでしょう。
たかが試験ですが、よく捻られた問題を年2回も作るのですから、そこに真摯に向き合うのは合格の最低条件だと思う次第です。



自分の考えたことは大凡以上のとおりです。
学習段階にもよりますが、できるだけ早い時期に、Writingの練習を進めることが大切です。
やればやるほど、工夫できるポイントがあり、コツがつかめて、余裕が生まれます。知識にしても、Essayで使えるレベルで理解するためには、Essayで要求されるような程度の理解が得られればよいわけで、問題文を解きながら覚えるくらいの感覚でよいように思います。
実は前回の直前、ホテルでEssayのSample答案を読み続けていて、ふとここで書いたようなアプローチに得心がいく瞬間があったんですね。たくさん覚えたということじゃなくて、たぶん問題文をちゃんと読めば、そうそう大きく外さないし、答案でも違いが出せるんじゃないか、そう思うことができる瞬間があったのです。それまでは、恥ずかしながら60が取れていれば良い方で、本当に合格答案なんて書けるのか?と自分を疑いすらしました。今回も不合格ですが、それまでとは比較にならない伸びがあったのは事実で、明らかにそれは勉強時間や使ったテキスト・ノートの内容ではなく、考え方に鍵があるということです。

私自身の準備不足や、熱意・努力の量が足りず、結果は出せなかったですが、アプローチの仕方は間違っていなかったのだと安心はしました。
あとは、合格ラインから離れてしまわないよう、自分の課題にとことんこだわって、ギリギリではなく1st Read でさっくり合格させてもらえるよう、頑張るだけです。
毎度の恥ずかしい投稿ではありますが、自分を奮い立たせることと、自分の思いを書き留めておいて後に参考にする目的もありますので、ご容赦ください。感覚的なものもあろうかと思いますが、リソースに限りのある日本人飛び込み受験生の皆様の参考になれば幸いです。
今度こそ、合格体験記が書きたいです。

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