FC2 Blog Ranking 前川弁護士blog 2016年02月
FC2ブログ
前川弁護士blog
弁護士の日常を書いております
フリーエリア

Facebookのアカウントです。ファンページもあります。

プロフィール

 前川 直輝

Author: 前川 直輝
最終学歴 京都大学法学部
司法修習 54期
カリフォルニア州弁護士
Maekawa国際法律事務所・代表弁護士
https://maelaw.jp/

最近の記事

最近のコメント

月別アーカイブ

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【映画】Bridge of Spies / ブリッジ・オブ・スパイ
もう時差ボケは解消したようです。準備したとはいえ、毎回、この図太さゆえ、国をまたいだ移動には強く居られるのだなとちょっとうれしく思います。枕が変わるだけで寝られない人もいらっしゃいますからね。

試験のために渡米する楽しみの一つは、帰路の飛行機で新しい映画を観られることです。特に、今回はLAX12時20分発で、関西空港翌18時過ぎ着の便で戻ってきたので、時差調整のために起きている必要がありました。
My Internというホンワカとした映画を最初に観ました。アン・ハサウェイもロバート・デ・ニーロも好きなのでセレクトして、プロットは好きだったのですが、最後何だか消化不良だったかなというところです。ネタバレもいけませんので深くは触れませんが、終わり方は賛否あるかもしれません。

今回のお薦めは表題に書いたBridge of Spies/ブリッジ・オブ・スパイです。
ちょうどいま日本でも公開されていて、ヒットしているみたいですね。これまたトム・ハンクスが好きでしたし、スピルバーグだというので気軽に選びました。
内容は実際の事件がテーマで、1950年代、冷戦まっただ中のときにアメリカとソビエトでそれぞれスパイが捕まり、さらに東ドイツでアメリカ人学生が捕まったということで、その交換の大役を担ったアメリカ人弁護士のお話です。
アメリカでソ連のスパイが捕まり、刑事訴追された案件で弁護士会から推薦されて弁護を引き受けたのがトム・ハンクス演じるドノバン弁護士。マスコミ、世論だけでなく裁判官まで有罪ありきの心証の中で、弁護士はあくまで依頼者に正当な権利があるという筋を負けず全力を尽くします。
その刑事事件が終結した後、今度はソ連でアメリカ人のスパイが撃墜されて捕まり、同じように刑事裁判を経て投獄されます。CIAは、相互のスパイを交換したいが、政府が直接表には出られないと、ロシア人スパイの弁護を担当したドノバン弁護士に白羽の矢を立てます。
同時期にアメリカ人の大学生がドイツに留学していたのですが、東ドイツで捕まってしまいます。ドノバン弁護士は、政府が話しているスパイの交換だけでなく、大学生も取り返そうと試みます。それがどういう風に進むのか。。。

スパイを弁護し、連邦最高裁判所にまで上訴するわけですが、そのときは全米から白い目で見られ、CIAからは尾行・監視され、挙句の果てに自宅が狙撃され妻や子どもが危険に晒されます。また交渉に出向くにも、政府からの依頼であるのに誰のバックアップもなく、様々なトラブルに遭遇します。それでもブレないドノバン弁護士の魅力に、どんどんと引きこまれていきました。

実話とはいえ、詳細は控えますが、弁護士が主人公ですから、この仕事、特に刑事弁護に多少なりとも関わっていると自然と興味を持ちます。特に、マスコミや多くの市民に白眼視されながらも、徹底して依頼者をサポートするという刑事弁護人の役割の重要さや、建前では覆い隠せない現実の難しさ、苦しさというものは、あらためて職業人として背筋が伸びた気がします。
また、前半の米国内の刑事裁判の議論では、外国人が権利主体になりうるのか、また捜索差押の令状主義の問題等が少し出てきて、Bar Examを受験している者としては色々と考えさせられ、勉強になります(今回、刑事訴訟法の論文での出題がなかったので、その意味でも冷静に観られたかもしれませんね・・・)。

刑事弁護人は、全世界を敵に回しても、依頼者を護るのが仕事です。違法なことには関与しませんが、どんなに有罪が間違いなく、極刑が相当だと言われたとしても、なおその人間は憲法・法律のもと適正手続が保障されなければなりません。ただ、耳目を集める”極悪人”を弁護する場合、自分や家族が本当に危険に晒されるということはあるわけで、キレイ事ばかりではありません。
私が元々司法試験を目指そう、と思ったのも刑事裁判で無罪を獲得した弁護士さんのお話を聞いたのがきっかけでした。無罪事件が2件体験があるというのは15年ほどの弁護士生活での密かな勲章で、今では若い人が増えてなかなか当番弁護の出動も回ってこずあまり受任する機会は多くありませんが、それでもやりがいを感じる分野です。たまたま事件の内容があまり非難を受けるような類の内容でもなかったですし、マスコミも途中からではありましたが、好意的に報道してくれたので実害を被ることはありませんでした。近い家族は理解し、応援してくれますが、遠い知り合いは刑事弁護をやるというだけであまり良いイメージを持ってくれないということもあったり、思われているよりも有形無形にプレッシャーはあるものです。

ドノバン弁護士は実在する人で、その後重要な交渉を政府から委ねられるほどになったわけですが、映画が描く彼の生き様というのは、どの国の弁護士でも胸を打たれ、刺激になるものだと思いました。
是非関心のあるかたはご覧になってください。
日本ではまだDVDが出ていないと思いますが、アメリカのAmazonでは購入できますね。字幕はないですが、わりと分かりやすいゆっくりとした英語だと思います。東ドイツをDDRと言ってみたり、そのあたりは私の世代ではまだ分かるのですが、今時の若い人たちはDDRなんて言われてもプロレスの技くらいにしか思わないかもしれないな、とちょっと不安を覚えたのでした。。。

Bridge of Spies BD + DVD + Digital [Blu-ray]
Walt Disney Studios (2016-02-02)
Best Sellers Rank: 28


スポンサーサイト

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。