FC2 Blog Ranking 前川弁護士blog 2019年08月
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 前川 直輝

Author: 前川 直輝
最終学歴 京都大学法学部
司法修習 54期
カリフォルニア州弁護士
Maekawa国際法律事務所・代表弁護士
https://maelaw.jp/

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第72期司法修習生の指導担当弁護士として
たまにブログを読んでいるという方から、アメリカの司法試験の話しかしないのですかと問われることもあります。
実のところ、前の事務所のときに開設したブログであるのと、いまはFacebookへの投稿で何かを表現する手段としては満たされてしまっている部分があり、投稿が減っているのが正直なところです。
米国司法試験の情報はやはり少ないので、目指される方にはできるだけ発信したいですし、実際にお問い合わせいただくことも多いので、細く長く投稿を続けています。

違う話題といいますと、今年は司法修習生の指導担当弁護士を務めております。
司法試験に合格すると1年間の司法修習を経て、最終の修了考試(司法試験が一回目でこれに続くといううことで、通称、二回試験と呼ばれます)をパスすれば晴れて実務法曹になれます。
その修習の期間中、司法修習生は全国各地に配属され、各地で裁判所(刑事・民事)、検察庁、弁護士事務所と、合計4箇所に2ヶ月弱ずつ実際に配置されて指導を受けることになります。
弁護修習は、各地の弁護士の中から、一定の経験年数や業務内容等を参考に、弁護士会から委嘱を受けることになります。

そういう指名を受けること自体、光栄なことですが、果たして自分に務まるものやらと不安がありました。
当事務所にはアソシエイトが2名おりますし、事務職員も含めて日々色々な相談や確認があります。事務所の規模が決して大きくない中で、事務所の代表者としては所属人員1人ずつの能力を向上し、パフォーマンスを最大化しなければなりません。その中で、司法修習生にきちんと時間を割いて、心を配ることができるのか、自分のキャパシティの中で対応できるかどうか、心配になるのは当然のことだろうと思います。

最終的にはお世話になった先輩に言われたこともあり、お受けすることにしたわけですが、司法修習生にも恵まれて、終わってみればあっという間の楽しい経験となっています。他の単位会でどうなっているのか分かりませんが、私は2人の司法修習生を受け持って、各2ヶ月弱の期間、可能な限り案件の検討、書類の作成、打合せや裁判期日への同席をしてもらいました。私自身は東京をはじめ遠方への出張も少なくないので、アソシエイト弁護士にも適宜協力してもらいながら、事務所全体としてサポートをしたつもりです。当事務所で指導した司法修習生が読んでいる可能性もあり、物足りないと思われているかもしれませんが。。。

指導を担当する弁護士には、弁護士会でガイダンスが実施され、基本的なルールや注意事項の確認は可能なのですが、実際に日々どうするのかは誰も教えてくれません。案件の偏りがないように、指導担当とは別に担任の弁護士さんがヒヤリングをしてくれたりするのですが、基本的な日常業務は自分自身で判断しなければなりません。そのときの指針になるのは、結局のところ自分が18年前に体験した司法修習生のころに受けた弁護修習でしかありません。
私の体験については、手元の結果簿を見ながら、以下のとおり感想を書いたことがありました。

司法修習の風景~実務修習・弁護

あのときに受けたほど充実した指導を提供できたか、自信はありません。期間もかなり短くなり、やれる範囲も小さくなったかもしれません。しかし、私が担当した司法修習生たちは、ゼミで受け持った人たちを含め、既に一定の知識を獲得しており、意欲もある人たちでしたから、私が何か教えるというより、体験する機会をできるだけ与え、こちらが思うこと、感じることを口にして、考える機会を持ってもらうことに集中しました。
すると、面白いことに、私やアソシエイト、スタッフに至るまで、一緒に悩み、考える機会を逆にもらえることに気付きます。自分の仕事の中身ややり方について、部外の人から意見を呈されること、特に、実務に出る一歩手前の瑞々しい感性に触れることは、私たち自身の考えを深め、技術を高めるのにも役立っているように思います。

いろいろな司法修習生と仲良くなって、話す機会があると、彼らから「なぜ先生は指導担当をされているのですか」「指導担当をされることは何かメリットがあるのですか」と素朴な質問を受けることがあります。そういうとき、決まって「確かに、君たちと話したりしている時間を仕事に割いたら、儲かるかもしれないね」と茶化すことが多い気がしますが、実際のところ、司法修習生を受け入れる責任感が事務所全体として生まれるように思いますし、形にならないメリットがあるように思います。
また、彼らが来ているときにも話したことですが、司法修習生個人ごとに、得も言われぬ縁のような力が働いて、実に多彩な相談や依頼が集まるような気がしています。あまりその手の話は信用していませんけれども、いろんな人が持っている運気はあると感じているので、彼らが持っている力なのか、はたまた彼らを受け持っているという私自身の気合なのか、様々な面白い案件を受けることができるのも、隠れたメリットだと思います。

司法修習全体として見ると、法律以前の礼儀作法がなっていない人がいるとか、司法試験に合格したかどうかも疑わしい知識レベルのものがいるとか、厳しい意見もあります。確かに、私が受け持った修習生たちは、たまたま人格・識見とも優れた人たちで、運が良かっただけかもしれません。ただ、時代が変わり、制度が変わっても、修習生という特別な時期に実際に仕事をする姿を見せるという実務修習のあり方は、大学や大学院では体験できないものですし、そうであるべきだと思います。

スケジュールとしては、10月・11月の時期に短期間、ホームグラウンド修習ということで指導を受けた弁護士事務所に戻る機会があります。そのときに再会できることはもちろん、二回試験を無事にパスして実務家となった彼らと再会できることを、心待ちにしています。