業務にかまけて更新も随分久しぶりとなりました。 本年もどうぞよろしくお願いします。 日本ではカリフォルニア州司法試験に関する限られたリソースのようで、更新がこれだけないのに、ブログやFacebookを通じてアクセスいただいており、有り難いことです。
さて、タイトルにも書きましたとおり、2020年夏季のカリフォルニア州司法試験の合格発表がこの週末にありました。 合格された皆様、おめでとうございます。 State Bar of California Releases Results of October 2020 Bar Exam
”夏季”と書いたのは、例年であれば7月に実施されるところ、2020年はパンデミックを受けて7月は中止となり、10月に完全オンライン試験として実施されたからです。 また、従来より全米でも1,2を争う合格率の低さが問題だとされていたところ、2020年7月16日のカリフォルニア州最高裁判所の決定で、合格ラインのスコア1440を1390に下方修正することになった最初の試験でもあります。
試験終了者が8723人、合格者は5,292人で、合格率60.7%。昨夏が50.1%でしたから、大幅に増えましたね。 延期の影響もあったためか、受験者数も過去最高に迫るレベルだったようです。 受験者が増え、合格ラインが下がりましたから、合格者や合格率の増加も想定されたところだと思います。 日本でも司法試験延期のあおりを受けて、司法修習の開始が12月から翌年(今年)の4月ころに変更になったりしています。現地でも同様の支障が生じていることから、ロースクールの卒業生に対して一定年数内に司法試験に合格することを条件として、Provisional licenseを付与し、上司の監督を受けて業務をすることを条件に弁護士業務資格を限定的に付与されることになっています。
Pass Listはテキストで表示されていて、単純にJapanの表示がある方をピックアップすると、16名の日本在住者が合格されているようです(試験登録当時の住所ですから、多少のカウント数の変更はご容赦のほどを)。Covid-19をめぐる様々な混乱の中、よくぞ突破されました。
MBE・Writingともに完全オンラインで実施されたとのことで、ソフトウエアの仕様から、不正受験の可能性を示唆するChapter 6 noticeを受けた受験者が多く出たようで、SNS等ではその怨嗟の声にあふれている様子です。 ただ、日本在住者の視点から見れば、現地に渡航しなくて良いというのは、環境条件としては大変良いものですから、時差調整さえしっかりすれば、その点を捉えればプラスの要素もあろうかと思います。 小さいながらも事務所を経営しながら、1週間程度の休みを取ってアメリカに渡航、フライト・ホテルのアレンジを行い、現地での生活、試験会場でのあれこれの調整等に苦労していた人間としては、物理的な移動を要しないことは、羨ましい限りですし、合格スコアが下がったことも、大変与しやすくなったのではないかと想像しています。
2021年2月も2月23日・24日にオンライン実施予定です。 様々な困難に見舞われている昨今ではありますが、特に日本に居ながら受験される方が成功されることを強く願っております。 現在、国際模擬仲裁(Vis moot)について大学の学部生さんのコーチをしており、そちらに忙殺されているところですが、試験問題の解析など、ご要望に応じて対応できればと思っています。 それよりなにより、2月1日に迫ったMCLE(カリフォルニア州弁護士として履修すべき研修単位)をクリアしないといけないので、そちらもがんばります。
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