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 前川 直輝

Author: 前川 直輝
最終学歴 京都大学法学部
司法修習 54期
カリフォルニア州弁護士
Maekawa国際法律事務所・代表弁護士
https://maelaw.jp/

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書類選考~司法修習生のための履歴書考
今年は司法修習生の採用活動をした最初の年となりました。
先に書いたように事務所としても貴重な経験です。

元の勤務先でも同様に採用窓口は務めさせてもらいましたが、やはり自分の経営する事務所で、というのはまた違います。
法律事務職員の採用活動は色々しましたが、共通する部分もあれば、違う部分もありますね。

さて、ほとんどの法律事務所では、具体的な就職活動でも、サマークラーク採用選考でも、履歴書等を事前に提出してもらい、書類選考が先にあるのが通例です。
多くの司法修習生と話していても、書類選考を通過して会ってもらうだけでも大変なんです、という人がほとんど。裏を返せば、如何に面接過程までこぎつけるのかが就職活動の要点だといえるのでしょう。

私はバイトの面接などではもちろん経験はありますが、司法修習中に履歴書を書いたことはありませんし、要求されたこともありません。偉そうなことはいえませんが、しかし、採用する側として指摘できることはあるかもしれません。自分の体験を残すという意味でも、またもし悩んだり、苦しんでいる修習生がいるのなら少しは役に立てるのではないかと思うので、多数の履歴書を見て思うことを誤解を恐れず書いてみることにします。

0.大前提
司法修習生の採用選考だからといって、特別なことはありません。他の多くの求職者と同じであって、如何に自分のキャリアや熱意をアピールし、募集する会社・事務所に興味をもってもらえるか、がポイントなのは間違いありません。
市販の「履歴書の書き方」のようなものは、バカにしないでちゃんと読んだ方がよいです。
以下に少々長々と思うところを書いていますが、多くはマニュアルの類に書いてあることです。
それを指摘しなければならないというのは、大変残念なことでもあります。

1.履歴書の存在意義

法律文書の書き方に関する先の投稿でもありましたが、文書には必ず目的があります。
履歴書は自己満足で書くものではありません。
①必ず提出する先があり、②読んでもらう人がおり、③読み方に一定の判断基準がある文書です。
自分が希望する就職先の、採用の責任者の人に、就職先に必要な人材と判断されるように、書く必要があります。
私自身は面接のみでしたが、面接を受ける前には自分なりに必ず面接を受ける先の事務所や先生方のイメージを想像し、分析したものです。

司法修習生の場合、①法律事務所か、企業であって、②読む人は経営者弁護士ないし窓口を務めるアソシエイト弁護士、又は企業の募集担当者ないし役員で、③各法律事務所のニーズを満たすかどうか、が要点です。
決して媚びろと言っているわけではなく、最低限、自分が誰に出してどうして欲しいのかを、相手の目線に立って考えてみて欲しい、ということです。

2.形式論の重要性
先のポイントに当てはめると、①法律事務所・企業は、いずれも書面作成・提出が業務の主たる内容をなしています。その正確性はもとより、社会常識としての礼節・ルールを守っていることは当然に要求されます。
この観点で見ると、私が体験したなかには以下のものがありました。

・宛先や担当者の氏名に誤りがある(私の名前を間違っている人もいました)
→面と向かって初対面の人に違う名前、事務所名で呼ばれたら、どう思うでしょうか。
・必要だと言われている書類が添付されていない(成績証明書がない、司法試験の成績しか付いていないなど)
→募集側はかなり慎重に募集要項を作成しています。それすら読んでいない、もしくは読んでも準備すらできないのでは、仕事は任せられません。
・指定された方法によらずに応募する
→書類を郵送せよと指示してあるのに、メールで問い合わせてくるのは、それだけでアウトではないでしょうか。せめて郵送後に、募集期間をすぎているときに電話をするとか、その程度だと思います。
・指定された書式を利用しない
→当事務所ではあえてフリーにしましたが、他の事務所では指定形式があるのに守らない人が少なくないと聞きます。それだけで読んでもらえない可能性が大きいです。
・自分で利用している書式であるのに記載に不備がある
→ふりがなを振り忘れている、おそらくワードフォーマットのミスでしょうが、形式が崩れている、といったもの。読み返していないのが、まるわかりでしょう。
 配偶者、扶養対象者の有無がフォームにあったりしますが、空欄だと、いったい触れてはいけないのか、触れられない事情でもあるのか、と思ってしまいます。

単純な誤字脱字、敬語・丁寧語の誤用など挙げれば、残念ながらきりがありません。
私自身、ケアレスミスが多い人間だという自覚がありますが、しかし、ことは一生の問題です。
履歴書を書く、それで選考をしてもらうのに、ちょっと確認すればわかることがフォローされていないようでは、先が見えてしまいます。
100あれば、30くらいをこのレベルで判断した記憶です。せっかく司法試験通って苦労しているのに、と残念です。お願いですから、提出前に一晩寝かして、もう一度朝に確認してください。

3.読み手の状況を十分に想像する

皆さんの履歴書を読むのは、法律事務所なら経営者弁護士のことが多いです。大規模事務所ならアソシエイトのこともありますが、それなりの経験年数を踏んだ人たちです。
人事専門で仕事をしているわけではなく、他の裁判内外の仕事をしながら、時間を割いて読んでいます。
一般に、とても忙しい人が、読むのだということをきちんと理解してください。

では1枚の履歴書を読むのに費やしてもらえる時間はどれくらいでしょうか。
私の場合、2分から3分です。そこで全てが判断されるのです。読み手のことを配慮した形式・内容であることが望ましいのは当然ですね。
例えばですます調とである調が混同されている場合、内容以外のことに目が行ってしまいます。
各記載相互に関連性が見られないとか、論述がスムーズでない場合は、一々元の箇所に戻ったりしてくれません。
自分がきちんと頑張って書いたんだから、時間をかけて隅から隅まで読んでくれる、なんて期待しないでください。それが現実です。

フォントや行間もそうです。読み手、採用担当者が誰かはわかることが多いです。弁護士の場合は便利なもので、ある程度経験年数、年齢などが確認できます。比較的年齢が上の方だなと思えばフォントを大きくすればいいだろうし、逆に若手の場合は枚数をくらないでいいほうが好まれるかもしれません。

段落の分け方、項目のたて方、番号の振り方、太字やアンダーラインによる強弱など、工夫はいくらでも可能です。私たちは単にその人の趣味を見るのではなく、いかに読み手に配慮しているかを見ています。読みやすさというのは、他者への思い遣りの具体化であり、思い遣りは人間として、弁護士としての基本です。
できるだけ信頼できる友人、指導担当をしてもらっている弁護士、先輩、家族に自分のドラフトを読んでもらい、率直な意見を吸収したほうがよいです。周りの人が読みづらいなぁ、というのに、2,3分で読む募集事務所の担当者がOKを出してくれるはずがありません。

4.募集事務所のニーズを捉える
 
これは履歴書だけにとどまらず、そもそもどこに応募するか、ということにもつながりますが、相手を良く知ることが何よりも大切です。
私がとても残念に思ったのは、自己分析が過ぎていて、こちら側がどういう事務所か、どういう意図であるのかを分析できている人がほとんどいなかったことです。
特に小規模事務所の場合、弁護士としての採用は結婚になぞらえることが多いですが、相手のことも知らないのに、とにかく結婚願望強いんですといって交際を申し込むのは、大変失礼な話です。
募集事務所の人数・年齢構成、立地、取扱分野などは最低限。募集要項などに、事務所として希望する人材などが書いてあると思います。
それはとても短い文章のこともありますが、そこから可能な限りのメッセージを読み取ることです。
皆さんはそれらの新人に要求される水準や、事務所のイメージ、仕事の内容に興味があって応募するはずですから、大前提となるニーズの把握を忘れてはいけません。
相手の「顔」も見ないで、とうとうと自分の意見を述べる人が、適切な法律相談をし、紛争処理ができるとは、到底思われません。何を大げさな、と思うかもしれませんが、ほとんどの弁護士さんは、そういう観点で履歴書を見ているはずです。

一つ注意があるのは、募集事務所の要望点をオウム返しにするのはデメリットもあるということです。
私の場合、このブログでことあるごとに仕事のことや、社会情勢、価値観、また学生・修習生に対する意見を公開しています。応募されてきた履歴書の中には、それらの情報を読んでくれている方もいて、ありがたいことだと思いましたが、履歴書の応募動機に、私のブログの一節が、引用であることを明示せず、そのまま自分の意見であるかのように記載されているものも複数ありました。
おそらくそれは逆効果です。いくら相手を知り、ニーズに合うように、といっても、そこまでしてしまうとかなり迎合的で自分がないと思われてしまうと思います。自分の個性があって、それとどうリンクするのかの評価分析が必要です。

5.写真、枚数、送付書、手書きの功罪
写真はあったほうがよいです。貼っていない人がいましたが、顔を見せるのは履歴書での礼儀だと思います。
ただ、何もデパートに行って撮影してもらい、ハリウッド女優ばりにリタッチしてもらう必要はありません。
顔の好みなんてもので判断はしないでしょうが、印象は大切です。面接の前に、先に履歴書で「会う」のですから、そこで自分のアピアランスに配慮できているかどうかは極めて重要です。お客と接遇するのに、寝癖をつけて、ネクタイを緩めて、スーツの襟がひっくり帰った状況ではいけないでしょう。
スピード写真でもよいのですが、髪の毛が乱れている、口のしまりがない、顎があがっていて尊大に見える、視線がカメラと一致しない、というのでは話す気があるのか、と思われても仕方ありません。
皆さんが忙しいのはこちらも分かっていますが、写真一つこだわれないほどではきっとないはずです。
清潔で、快活な印象を与えるべきなのは一番だと思います。
爆笑している写真ではいけないでしょうけれど、僅かな微笑みをたたえていれば、ベターではないですかね。
一緒に働くならポジティブなイメージの人が良いですから。

同じく、質問で多いのは履歴書として適切な分量は何枚くらいですか、というものですが、私たちが書類選考でOKを出したのはA4で3枚から5枚程度のことが多いです。もちろん、フォントや行間の設定で変わりますし、履歴書と職務経歴書を分けている人もいましたから単純に比較はできません。
ただ、熱意の余りだと思いますが、行間もかなり詰めて、細かいフォントで、びっちり5枚、6枚と書かれたのでは読み手のことを考えてないと受け取ってしまいます。
書類選考とは別に面接をするのが通常です。それぞれで何をすべきかは、自分なりに判断し、情報の取捨選択は必要でしょう。
私個人も短い文章を好みますし多くの法律家はそうだと思います。
皆さんが修習していて、通常の訴訟事件や交渉案件で、10枚近くの文書というのはなかなかないだろうし、読むのに骨が折れると思います。一々見返す作業が必要になる分量なら、書きすぎか、目次や章立ての工夫が必要です。

また、送付書をつけるべきか、はどちらでもよいですが、普通は同封するのが礼節でしょう。履歴書に書いていないことで少しだけコメントできるところというのは、送付書だったりするわけで、ちょっとした工夫はできるのではないでしょうか。

一番多い質問は手書きかパソコンか、というものです。
読み手を考えてください、ということでしょうね。正解はないですが、余程読みやすい字で、準備ができるのであれば手書きでアピールしてもよいでしょう。ただ、1,2通を除いては、基本的に悪筆のことが多く、読みづらいというのが経験則です。司法試験受験者は悪筆が多く、私も例に漏れないので、字のうまい下手は決定打にはなりません。
現実に何枚も履歴書を出すという事情も分かっていますから、そこは効率重視でパソコンを使われればよいと思います。ただ、封筒や送付状は手書きに、というのはアピールしたければOKだと思います。字の下手な人は無理しなくてよいでしょう。

6.成績の扱い
私たちが思っている以上に、司法修習生が心配しているのは、「成績で多分落とされるんじゃないか」という点でしょうか。
正直いって、この点は各事務所によって力点が違うので、一概には言えません。
ただ、大阪の私たちレベルの規模の事務所であれば、成績だけが要件とは思わなくてよいでしょう。現に、面接実施者には1000番~2000番の人もいれば、100番、200番という人もいました。

よく考えてみればわかると思います。
1度目の受験で2000番の人と、3度目の受験で200番の人と、どちらが優秀でしょうか。
一概に数字では比較できないのではないですか?

ただ、もし成績について良い、又は悪い、という自覚のある人は、必ず履歴書で何らかの言及をするべきだと思います。とにかく合格すること、回数を減らすことに集中してこういう工夫をした、確かに順位は芳しくないが、その代わりこういう点を学習した、というような補足説明はされておいたほうがよいでしょう。
残念だったのは、成績順位が低い人ほど、何の言及もない人が多かったことです。もちろん、アピールできない、という負い目があるのかもしれませんが、もったいないですね。
私たちが見ていたのは、数字ではなく、それが自分が精魂を傾けた成果なのですから、きちんと向き合い、受け止めて評価できているかどうかです。
別に成績はアピールポイントでなく他に触れるべきことがある、というのならそれでよいですが、何となく自分で不安があるなら、まずきちんと向き合うことが先決です。何も書いていなければ、書類選考なのですから、ああこの人諦めているのかな、という履歴書になってしまいます。

7.内容における留意点
 
中身は人それぞれです。大まかにいえば自己分析をきちんとし、募集側のニーズを捉えて、いかに自分が事務所に入ったら役に立つか、をアピールすることです。
内容面でのアドバイスをするのは、人それぞれ人格が違うので、適切ではないですし、変なルールにされてもイヤですから、控えておきます。
ただ、多数の履歴書を読んで気がついたことには触れておきましょう。

(1) 紋切型では埋没する。

自己分析は私たちのころに比べればしっかりとされています。指導されることもあるのでしょう。
ただ、マニュアルの影響でしょうか、パターン化してしまったフレーズは何の価値もありません。

・ひとつのことをやりぬく力がある
→司法試験に合格した、受験勉強でこんな苦労をしたということ「だけ」を結びつけている場合。皆さんが思っているよりも、とても多かったです。
 ただ、厳しいことをいえば、法律事務所の人たちは、皆司法試験に合格しているんですから、苦労はしています。そんなことは、法曹になっているんだから当たり前。もっと突っ込んで、自分なりに特に努力したこと、他の人にはない部分というのをアピールしなければ、自己分析としては浅い。

・話を聴く能力がある
→誰でも話は「聞けます」。具体的に、どう人と違うのか、印象的なエピソードを是非引用して欲しいです。友達からはこう言われます、で終わっている人も多かったですが、それは分析とは言いませんし、その友達を知らない私たちには何も伝わりません。

・企業法務、労働法、倒産法
→大学・大学院での興味を書くのは結構ですが、私たちから言わせれば現場も知らないで何を延々とプレゼンしているんだろうか、と思うこともあります。興味分野をアピールするのなら、自分の体験したエピソードを踏まえて具体的に説明するのが適切ではないでしょうか。
 ただ、意外に多かったのは、自分や家族、友人が交通事故、相続、倒産を経験した、あるいはそのときに相談されたというエピソードでした。もちろん、そうそう一般の人が体験するものではないですが、Reasoningもなしに「だから法曹を志した」「だから○○に興味がある」というのでは、少々短絡的です。
 職歴など個人的な体験、信念があるのなら、是非きちんと量をとって説明されるべきです。
 一言言えるのは、「企業法務に関わりたいです」と漠然ということだけは絶対に止めてください。中身が分からないのは仕方ないんですが、企業法務って何なの?ということが大事ではないでしょうか。依頼者が企業なら、何だか儲かりそうだと思うならそれはそれでひとつの見識ですし、裁判ではなく企業組織内での特定の活動、例えば株主総会の設営や運営準備、企業結合や分割といった個別のテーマに興味があってもよいでしょう。
これは私が司法修習生のときにもあった現象ですが、マジックワードみたいなものは言うだけ損だと心得ておいたほうがよいと思います。学部の1,2回生ならまだしも、司法試験を合格し修習を開始している人がそれでは困ります。

(2) 尋ねられそうなことの補充

履歴書を読んで、自分のキャリア・経歴で尋ねられそうなことには、最低限フォローしておいてもらいたいです。

・履歴書でもっとも大切な部分の一つは、志望動機です。
 ところが、何故弁護士を目指したのかという弁護士志望の動機と、当事務所の志望動機と、両方触れられている履歴書はかなり少なかったです。履歴書を何十枚も出しているからかもしれませんが、うちの事務所の顔を見てくれてないんだろうな、と少し寂しい気がしました。
 どうして弁護士でなければいけないのか、なぜうちの事務所なのか、を自分なりに掘り下げられている人は好印象でした。履歴書という書類の送付は一方的ですが、それにこちらが反応すれば双方向の交流に変化します。履歴書を読んで、なるほど、こちらのこういう点に興味があるんだな、もう少し話を聞いて希望とこちらの需要とがマッチするのか判断したい、と思わせたら、書類選考はパスできるわけです。

 特に私たちのような小規模事務所では、人間として、弁護士としての価値観、倫理観がとても大切だと思います。多くの小規模事務所の希望人材欄に「協調性のある人」とあるのは、同じ趣旨だと思います。その言わんとするところには違いがありますが、書類選考の段階でもできるだけ想像力を膨らませて、具体的に自分の信条や性格、志望動機を具体的に書いてもらいたいです。

・例えば出身地、大学所在地と、応募先で地域に差がある場合。
 なんで大阪なの?というような質問は、抱かせたまま終わるのは得策ではありません。別に地縁がなくたっていいのですが、出身地が離れていると素朴に気になります。例えばこの人は将来は地元に戻りたいと思っているのだろうかとか、キャリア・ライフプランも気になるのは当然でしょう。将来のことを保証する必要はありませんが、自分なりの現在の希望も含めて、補充説明が必要ではないでしょうか。

8.終わりに
履歴書を見ながら気がついたことは以上のようなことです。
なーんだ、当たり前じゃないか、と思うことですし、特に一般の方々は、高校生、大学生に言うようなことじゃないか、と思われるかもしれません。
しかし、そのレベルで7,8割が選考に漏れているという現実は直視する必要があると思います。
修習生からしたら、とにかく会ってくれないとどうにもならないじゃないか、という不満もしばしば聞きます。それももっともです。書類選考で何がわかる、と言いたくもなるでしょう。
先に触れたとおり、私自身も今のようなスタイルで選考されたわけではなく、自分がいざ採用するとなって、会いもしないで判断するなんて少々偉そうだし、厳しいなぁと思うこともあります。

しかし、私たちの場合であれば弁護士は2名、それぞれいろいろな業務をしながら面接に割ける時間は物理的に限られます。応募者が多数に上る現状からは書類選考が避けられません。そうであるなら、会ってみたいと思わせる書類でなければいけないのは、当然のことだろうと思います。
それに仮に面接といったところで、最初は集合面接のことが多いです。一人当たり15分、20分あるかどうか。結局満足な履歴書も準備できない人が面接でアピールできるはずがないのではないでしょうか。
さらにいえば、人生の一大事で作成する履歴書で弁護士を惹きつけられないのでは、仕事についてからも依頼者を獲得できないのではないでしょうか。

もちろん、履歴書は良かったけれど、面接したらそうでもなかった、という例もあるし、その逆もあるでしょう。
ただ、結果として当事務所で面接をした人や、内定を出した人は、スタッフから見ても履歴書を読んでいてとても読みやすかった、一読して伝わるものがあった、というものでした。採用選考前にスタッフに確認していたわけではありませんが、話を後で聞いてみるとおもしろいな、なるほどなと思います。
履歴書で要点を語れる人、最低限度の気遣いができる人は、面接しようと思わせる人なんだろうと思います。

所詮履歴書。されど履歴書。
本当は履歴書は人によって違うものですから、個別に相談を受けてアドバイスをするほうがよいのでしょう。
そのうちそういう商売も出てくるのかもしれませんし、私も書き始めると本でもかけそうだなと思うくらいの話ではあります。

ともあれ、多数の司法修習生にとってはまだまだ就活真っただ中と聞きます。
厳しいのは先刻ご承知でしょうが、是非悔いのない活動をしてください。
人生、かならずその人にとって良いような選択ができるようになっていると信じますが、その過程での苦しみを避けていては、叶う夢も叶わなくなります。
歯を食いしばって、頑張りましょう。
この記事に対するコメント

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
【2012/04/01 13:56】 URL | 履歴書 #- [ 編集]


私は,書類落ちに悩まされている人です。
とても素晴らしい記事ありがとうございます。
ただ,お言葉を返すようで申し訳ありませんが,書かれていることは全て意識していますし,できています。それでも,9割方書類落ちです。

あまりにもムカつくので,最近では,あらかじめメールで質問してから書類を出すようにしています。

非常に気になるのですが,法律事務所の就職活動で提出した個人情報(履歴書・成績表など)は,どのように扱われているのですか?
勝手にデータベースにされて,目的外使用されているのではないかがとても心配です。個人情報は破棄すると言っている事務所でも,二次的データベースを作り,二次的データベースを目的外利用しているように思います。
【2016/07/31 23:43】 URL | 四十 #- [ 編集]


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