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 前川 直輝

Author: 前川 直輝
最終学歴 京都大学法学部
司法修習 54期
カリフォルニア州弁護士
Maekawa国際法律事務所・代表弁護士
https://maelaw.jp/

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2017年7月カリフォルニア州司法試験合格のご報告
もう随分とご無沙汰しておりました。Facebookはじめ各所からお問い合わせいただくことが最近増えておりまして、せっかくの機会ですので、とても久しぶりに投稿しておこうと思います。
去る2017年7月に実施されたカリフォルニア州司法試験 California Bar Examに合格し、12月に同州弁護士登録を済ませました。長いような、あっという間の挑戦でしたが、良い報告ができて本当に嬉しく思います。

2017年7月は、3日だった試験が2日制に変わる最初のときで、Essayは6問から5問に、PTは180分2問が90分1問に、大きく変化しました。
一番大きかったのはMBEの比重とWritingの比重が50:50になったことです。MBEについては、私は既に1440を超えることはできていたので、自分にとっては有利な変更だと思いました(思うようにしていた、というのが正直なところですが)。
そして、Writingについても、途中答案にならなければ、普通の精神と肉体の状態なら、最低限ここまではスコアが出せるだろう、というラインがつかめていました。ですから、Writingがいつもどおりであっても絶対に合格ラインを超えられるくらいに、MBEでハイスコアを取ってやろうと腹を決めて、徹底的に対策をとりました。
おそらくその制度変更にあわせた学習方法の変更が、成功の鍵となったと思います。

新制度での90分PTはSampleの1問しか公開されていなかったので、不安は尽きませんでした。でも受験生は皆同じ条件です。Sampleを徹底的に分析して、他州の90分テストの方式を少し眺めて、あとは時間のコントロールに注力しました。
PTは180分のころから、出来が良いときと悪いときの差が激しく、駄目なときはほとんど途中答案でした。
90分となり、時間はタイトに見えるのですが、私にとってはプラスに受け取れました。つまり、自分にとって決定的に不利だと思っていたのは英語による読み書きスピードの差だったので、時間が短ければ短いほど、現地受験生との差異が生じにくくなると思ったのです。読む資料の分量も大幅に減りますし、たとえば出て来る判例の数もたいてい1個、2個だろうという計算になるので、現地判例の読み方の訓練を受けていない自分にとっても理解はしやすく、言葉のハンデによるスピード差は小さくなるはずです。
実際、JulyのPTは主題が理解しやすいものだったこともあって、余裕はないものの時間内に題意を把握してきちんと答案を仕上げられたと思います。

Essayについては5問になりましたが、基本的に中身が変わるわけではありません。もっとも、問える問題数が減るということは、出題者としては科目数を維持するために、Cross Overを必ず増やしてくるだろう、そしてCAプロパーと連邦法の比較が増えるだろうという確かな予想がありました。最近その傾向は少しずつ出ていましたが、2日制に変わってより顕著になったのではないかと思います。
Essayについては、60分1問をできるだけ守ること、守れなくてもはみ出す時間を最小限にとどめることを意識しました。さすがに知らないIssueというのはほとんどないだろうという自信はありつつ、今までのように知っていることを吐き出そうとするのではなく、本当にシンプルに問題文の一つずつを大切にして、出題者の意図を読み取ろうと集中しました。何度かブログで書いたように思いますが、Essayの場合、答えは問題文に表現されています。そのヒントをどこまで普通に受け取って表現できるかがポイントです。タイポや文法間違いなど、一切気にしなくて良いし、非母語者であることを負い目に感じる必要はまったくありません。それは公式サイトでもアナウンスされている通りだと思います。

MBEは前回までとにかく難易度が高すぎるとロースクールなどからも批判が強まっていました。だからということかわかりませんが、結果的にJulyの難易度はかなり易しくなったようです。それはスコアにも表れていたようですね。自分としても受験後の体感は、えらく易しくなったなというもので、MBEで跳ねようと計画していた自分にとってはあまり良い情報ではなかったです。
それでもAdaptibarをきちんとやって、正答率が自分の目標とするレベルに達していたので、本番環境でも設定したスコアはクリアしていたのではないかと信じていました。

合格発表の数日前は、記憶が断片的になるほどに、ストレスがかかっていたようです。当日はインターネットを通じて受験番号等を入力すれば結果が表示されるのですが、サイトがダウンしていて何度やっても先に進めませんでした。20分以上経過して、PDFでRegistration No.とApplication No.の組み合わせで合格者一覧が表示され、自分のそれに合致する箇所を見つけたものの、さらにしばらくしてサイトで正式に確認するまで疑心暗鬼でした。確認に30分以上かかったので、書斎から妻の待つ部屋へ向かうと、また駄目でホテルの予約も済ませたのだと思われていたほどです。

2日制は、日本からの飛び込み受験生には大いに有利な変更で、スケジュールが圧倒的に楽になりました。
滞在日数が少なくて良いですし、終わってから平日金曜の夜に東京に戻れます。仕事をしている人にとって受験スケジュールは死活問題で、私自身も試験終了後から普通に日本の仕事をたくさん処理できることができて助かりました。
ちなみに最終受験地はOaklandです。私は他にOntarioしか知らないのですが、たしかに滞在コストは高めですけれど、SFOからの交通の便が良いですし、生鮮食品を買うスーパーも徒歩圏にあって、食生活を重視する私にはとても良い場所でした。治安については色々指摘される向きもありますが、きちんと日中に外出するようにして、場所を選べば、安全に過ごすことはできますよ。

合格発表後はいろいろな方にお祝いをいただき、アメリカ領事館で宣誓を済ませ、年が変わってから弁護士会費を支払って、正式にカリフォルニア州弁護士の肩書で働くことができています。久しぶりに、受験モードではなくなり、睡眠時間を削らなくてよくなったことに未だに慣れないくらいです。不思議なもので、資格者になってみると、それらしいお話が舞い込んで来るもので、カリフォルニア州出身のアメリカ人のスタートアップからご相談があったり、外国の専門家から訴訟提起に関するご相談を受けたり、面白い広がりがあるなと思います。 当初お世話になった専門学校のAbitusさんは、フロリダコースタルローのカリキュラム変更等で、米国弁護士コースの新規受付が停止してしまっているようです。昨春、恥ずかしながら受験生の身分で体験を語る機会があって、そのときのアンケートで前川の合格体験談が聞きたいという声もちらほらいただいていました。せっかくですから、記憶の新しいうちに、体験がシェアできる機会があればと願っています。現在、受験時代の仲間の努力にも、陰ながらサポートできればと思って、少しずつ情報交換をしています。 私は、たまたま恵まれた立場にいて、周りの協力も得ながら、気合と根性でここまで来たというところです。ただ、飛び込み受験生で、日本法弁護士で事務所を経営しながら、という例はあまりないことかもしれません。その特異な経験を活かして、またチャレンジを続けていきたいですし、続かれる方々をサポートしていきたいと願います。
【映画】Bridge of Spies / ブリッジ・オブ・スパイ
もう時差ボケは解消したようです。準備したとはいえ、毎回、この図太さゆえ、国をまたいだ移動には強く居られるのだなとちょっとうれしく思います。枕が変わるだけで寝られない人もいらっしゃいますからね。

試験のために渡米する楽しみの一つは、帰路の飛行機で新しい映画を観られることです。特に、今回はLAX12時20分発で、関西空港翌18時過ぎ着の便で戻ってきたので、時差調整のために起きている必要がありました。
My Internというホンワカとした映画を最初に観ました。アン・ハサウェイもロバート・デ・ニーロも好きなのでセレクトして、プロットは好きだったのですが、最後何だか消化不良だったかなというところです。ネタバレもいけませんので深くは触れませんが、終わり方は賛否あるかもしれません。

今回のお薦めは表題に書いたBridge of Spies/ブリッジ・オブ・スパイです。
ちょうどいま日本でも公開されていて、ヒットしているみたいですね。これまたトム・ハンクスが好きでしたし、スピルバーグだというので気軽に選びました。
内容は実際の事件がテーマで、1950年代、冷戦まっただ中のときにアメリカとソビエトでそれぞれスパイが捕まり、さらに東ドイツでアメリカ人学生が捕まったということで、その交換の大役を担ったアメリカ人弁護士のお話です。
アメリカでソ連のスパイが捕まり、刑事訴追された案件で弁護士会から推薦されて弁護を引き受けたのがトム・ハンクス演じるドノバン弁護士。マスコミ、世論だけでなく裁判官まで有罪ありきの心証の中で、弁護士はあくまで依頼者に正当な権利があるという筋を負けず全力を尽くします。
その刑事事件が終結した後、今度はソ連でアメリカ人のスパイが撃墜されて捕まり、同じように刑事裁判を経て投獄されます。CIAは、相互のスパイを交換したいが、政府が直接表には出られないと、ロシア人スパイの弁護を担当したドノバン弁護士に白羽の矢を立てます。
同時期にアメリカ人の大学生がドイツに留学していたのですが、東ドイツで捕まってしまいます。ドノバン弁護士は、政府が話しているスパイの交換だけでなく、大学生も取り返そうと試みます。それがどういう風に進むのか。。。

スパイを弁護し、連邦最高裁判所にまで上訴するわけですが、そのときは全米から白い目で見られ、CIAからは尾行・監視され、挙句の果てに自宅が狙撃され妻や子どもが危険に晒されます。また交渉に出向くにも、政府からの依頼であるのに誰のバックアップもなく、様々なトラブルに遭遇します。それでもブレないドノバン弁護士の魅力に、どんどんと引きこまれていきました。

実話とはいえ、詳細は控えますが、弁護士が主人公ですから、この仕事、特に刑事弁護に多少なりとも関わっていると自然と興味を持ちます。特に、マスコミや多くの市民に白眼視されながらも、徹底して依頼者をサポートするという刑事弁護人の役割の重要さや、建前では覆い隠せない現実の難しさ、苦しさというものは、あらためて職業人として背筋が伸びた気がします。
また、前半の米国内の刑事裁判の議論では、外国人が権利主体になりうるのか、また捜索差押の令状主義の問題等が少し出てきて、Bar Examを受験している者としては色々と考えさせられ、勉強になります(今回、刑事訴訟法の論文での出題がなかったので、その意味でも冷静に観られたかもしれませんね・・・)。

刑事弁護人は、全世界を敵に回しても、依頼者を護るのが仕事です。違法なことには関与しませんが、どんなに有罪が間違いなく、極刑が相当だと言われたとしても、なおその人間は憲法・法律のもと適正手続が保障されなければなりません。ただ、耳目を集める”極悪人”を弁護する場合、自分や家族が本当に危険に晒されるということはあるわけで、キレイ事ばかりではありません。
私が元々司法試験を目指そう、と思ったのも刑事裁判で無罪を獲得した弁護士さんのお話を聞いたのがきっかけでした。無罪事件が2件体験があるというのは15年ほどの弁護士生活での密かな勲章で、今では若い人が増えてなかなか当番弁護の出動も回ってこずあまり受任する機会は多くありませんが、それでもやりがいを感じる分野です。たまたま事件の内容があまり非難を受けるような類の内容でもなかったですし、マスコミも途中からではありましたが、好意的に報道してくれたので実害を被ることはありませんでした。近い家族は理解し、応援してくれますが、遠い知り合いは刑事弁護をやるというだけであまり良いイメージを持ってくれないということもあったり、思われているよりも有形無形にプレッシャーはあるものです。

ドノバン弁護士は実在する人で、その後重要な交渉を政府から委ねられるほどになったわけですが、映画が描く彼の生き様というのは、どの国の弁護士でも胸を打たれ、刺激になるものだと思いました。
是非関心のあるかたはご覧になってください。
日本ではまだDVDが出ていないと思いますが、アメリカのAmazonでは購入できますね。字幕はないですが、わりと分かりやすいゆっくりとした英語だと思います。東ドイツをDDRと言ってみたり、そのあたりは私の世代ではまだ分かるのですが、今時の若い人たちはDDRなんて言われてもプロレスの技くらいにしか思わないかもしれないな、とちょっと不安を覚えたのでした。。。

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Walt Disney Studios (2016-02-02)
Best Sellers Rank: 28


2016 February California Bar Exam Update - July以降受験のための方向け参考
Ontarioで受験しました。現在LAXのラウンジです。次以降を受験される方の参考情報として、出題内容の概要だけお知らせしておきます。
山を張るのはいけませんが、前回の出題内容は実際に対策上かなり役に立ちますからね。なお、試験直後の個人的な認識ですから、内容の正確性は保証できません。あくまで参考までにとどめておいてください。

1日目
Essay Q1 Wills/Trust+Remedies
HouseとRanchを持つTが、Houseだけ(だったかな)を対象にInter vivos Trustを作ったが、数年後(Years later)今度はTがWillを作成、その中でTrustは全部撤回するとした上で、BeneficiaryやTrusteeなどの要素を全部変更、今度はHouseとRanch両方を処分することにした、Tは亡くなるが、当初のTrustで名前が上がっていた2人はあとで作られたWillを知って驚いた、各人の権利、後の方のWillでBeneficiaryとされる人間はどういう救済が受けられるか、といった内容。

Essay Q2 Torts
おかしなFactでした。宇宙人が人間を制服する?というような奇妙奇天烈なことを信じていて、宇宙人が人間の形をして存在していると信じ込んでいる人間Sがいた。
Sの近所のNさんは、自分の庭にSの子らが立ち入ることがあったので、やめてくれとSに言うと、Sは言い返して「I will kill you」と口走った。
その後、Nは再び注意をすると、Sは言い返した上で、チェーンソーを持ち上げ、このbabyで首をちょん切るぞ、と口にした。
道路の向かい側でSがチェーンソーをNに向けて持ち上げているのを見たPさんは、道路をわたってSを殴り倒し、Sは怪我をした。
Sは、Nの車のブレーキを切って、宇宙人に思い知らしてやろうと思ったが、Nはブレーキのことを知らないままPに車を貸し、Pは事故に遭ってしまった。
設問は3つ。N vs S, S vs P, P vs SのそれぞれのCauseと認められるかどうか。

Essay Q3 Professional Responsibility
久しぶりに、PRがフルで聞かれました。Lawyer(女性)は、Contractor(男性、依頼者)と性的関係があったところ、難しい建築瑕疵(だったかな)の事件について依頼を頼まれた。Cはお金がなかったので、Lに半額で受けてくれと頼むと、LはContingentを認めてくれと言い出す。Lは建築瑕疵を取り扱った経験がない。
その後も性的関係は続くがLとCとの関係はよくなくなってくる。LはScheduled Conferenceにうっかり欠席。
ただ、事件自体は請求を認められて回収が得られた。いざ回収額からLが思う報酬額を控除してCに返金するが、Cは半額の意味が違うといって、もっと返還されるべき金額があると言い出す。
Lが事件を受けたこと、Conferenceに欠席したこと、報酬や預かり金についてどうすればよかったかといった設問。ABA・CAルールの指定はありました。

Performance Test A (Objective Memo)
偶然でしょうか、弁護士が顧客からの預り金を指摘に流用したという疑いをかけられ(ただ500ドルだったかな)、State Barの調査が入り、懲戒処分を受けるにあたって、その根拠4つくらい(すぐに返金しない、まぜこぜにした、調査非協力など)それぞれに整理をして、認められるかを検討するためのObjective Memoの出題。File、Libraryとも分量多めでした。

Essay Q4 Remedies/Rescind, Reformation
保険会社と契約者との間の紛争。Aさんが自動車保険に加入、被保険者は娘のD、対象車両はTとV。保険会社InsuCoは車両がAの住んでいる否かのエリアで乗られるというAさんの申告をもとに、Cityよりも低い保険料でPolicyを発行。ところが、実際、Dは保険料の高いIndustrial Cityエリアの大学に通い、TをIndustrial Cityで走らせていた。
Aさんは保険のリミットを50万ドルにあげてくれと保険会社に依頼、これに対して保険会社がPremiumを払ってくれたらOKですよと返答。Aは実際にPremiumを払う。
その後、AがDの大学の卒業式に出向こうとV(もう一つの車両)に乗って出来かけようとしたところ、変更後のPolicyが届いたが、PolicyにはLimitが合意額の半額25万ドルと書いてあった。Aはこれに気が付かず、自動車Vに乗り、多重事故に巻き込まれた。
保険会社は保険契約をRescindしたい、Aさんは保険契約リミットを50万ドルとReformして欲しい、という主張で、それぞれが通るかどうか。Remediesもこういう出し方は初めてかもしれませんね。

Essay Q5 Evidence (California)
社長Mike、管理者S、従業員P、D、Eといる会社で、Pが解雇された。その時、Dがメンバーに向けて、Pが解雇されたこと、解雇理由は金を盗んだことだ等というEmailを送信。
PはそれがDefamation名誉毀損だとしてDを訴えた(民事事件)。
Emailについて、Eは会社で受信したこと、他の大量のメールとともにDから受信したことを証言。
Sは、Pが現金を盗むのを見て捕まえて、糾弾したが、Pは黙って立ち去ったと証言。
Dは、社長室でMとPが言い争うのを漏れ聞いたこと、Pが泣きながら「1人にしないで」等と叫んだが、Mは冷静なトーンで「もう終わりだ、自分のことを考えろ」と応じた。
Email、Sの証言、Dの(i)PからMに対する言葉、(ii)MからPに対する言葉それぞれの証言の証拠能力如何。Californiaルールで回答するよう明確に指示されていました。

Essay Q6 Contracts (UCC)だと思う。
サーフボードを作る会社が、ある化学製品を作る製造会社から製品を購入したい、また期限は具体的に指定するとオファーを出した。
これに対してメーカーは所定の用紙で応じたが、Warrantyは付けない、Consequential Damagesを放棄するとか、申込者の同意があって初めて成立するとか追加条項3つを記載した書面を返送。申込者は何も返答しなかった。
メーカーから商品が届き、買主はこれをチェックすべく一部を使用したが、サーフボードの表面は意に反して硬くならず、ボード50枚だったか、が無駄になった。
買主はメーカーに返品。このままではサーフボードのラインが止まってしまうと危惧して、買主はメーカーに伝えず、メーカーの競合他社から少し高い値段で同じものを調達した。
その後メーカーは、履行期限後、代わりの正規品を提供しようとしたが、買主はこれを拒絶した。硬くならなかったのは、当初製品にManufacturing Defectがあったからだった。
買主から売主へ無駄になったサーフボードと代替品購入による差額保証の請求、売主からは買主が代替品提供を拒んだことの責任を問うというもの。

Performance Test B (Persuasive Memo)
離婚にあたって夫婦共同財産等のSettlement Agreement(和解契約)が締結され、その条件としてSGという投資会社の投資口座からHが20万ドルを引き出してWに金銭で渡すという約束があり、それは履行されたが、事後、SGのファンドが破綻したので、H側が当初合意がMutual Mistakeによるものだと主張して訴えでたので、これに答弁するためのPersuasiveなメモを作るタスク。こちらは文書量が少なく、かつメモ作成にあたってFactの概要説明を冒頭にすること、回答ごとのHeadingの書き方、事実やルールの引用の仕方などのインストラクションが詳細に記載されていました。

以上です。個人的にはEssayQ2、Q6に不安がありますが、それ以外はまあまあかなという感じでしょうか。
Q2はファクトが無茶苦茶だったのでなんだろうかと当惑したのが正直な感想です。
基本はBatteryとかTrespass to Chattelとかおそらくそういう不法原因に該当しそうなのはあまり争いがなくて、例えば正当防衛や緊急避難が認められるか、また宇宙人の関係でCapacityに問題はないのか、行動にあたっての認識がどうであったのか(Special / General intentで変わりそう)というところでしょう。Sが脅していたのは間違いないですが、Sの主観ではNは宇宙人でしょうし、Nさんがじゃあ怖がっていたかというと、そこもはっきりはしない。
面白い問題なのでしょうが、私には今ひとつ何を聞きたいのかピンと来ず、IIEDとか沢山書き出すことにスコアが配分されていたら、あまり良くないだろうなという予想です。

Q6はManufacturing Defectとあったこともあり、Product Liabilityにも言及したのですが、そっちはあまり問題でなかったかもしれません。
UCCではPerfect Tenderですから期限遅れは直ちにBreachです。ただ、売主はCoverできるとされています。Battle of Formsの問題もあるでしょうし、諸々考えるとPLなんて言っている暇はないしそこはポイントでなかったんだろうなと思います。

ともあれ、昨夏は合格率が何年かぶりに低水準、MBEのスコアも低かったらしいですが、今回はかなりSpecificな問題構成で、MBEもどちらかといえば難易度は緩和されたような印象があります。ただ、あくまで合否はScalingでどうスコアリングされるかがポイントですから、問題がどの程度の難易度で、受験者のレベルがどうで、State Barとしてどれくらいの数を通そうというのか、というところで大きく変わるように思います。

Ontarioで受験し、快適ではあったのですが、1日目の午前、試験開始直前に非常ベルが鳴って、いったん全員会場外に出されるというハプニングがありました。さすがにこんな経験はなくて、もしお流れにあったらどうなるんだろうと気が気でなかったです。追試されても予定が確保できませんし、費用も米国内の人間とは比べ物になりませんからね。
ともあれ、私自身は終わったことはそれとして、自分なりに手応えがあったもの、解決すべき点がこれまで以上に明確になったという印象ではあります。5月の発表まで引き続き勉強は続ける予定です。
とにかくも、無事に行って戻って来れたことを感謝します。米国内の別の州では銃撃事件があったとか、また1日目のハプニングが回復不能なことだったらと思うと、安心安全が何にも代えがたいでしょうからね。

人間関係の築き方について
当事務所も新人が入って来て、裁判所や弁護士会にもバッジをピカピカ光らせて、まだスーツも着慣れていない新人さんたちを多く目にするような季節となりました。自分も今月で独立してちょうど10年が経過し、弁護士登録して16年目を迎えます。業界内ではまだヒヨッコではありますが、その後の合格者急増を受けて、私より年期の若い人たちはかなり沢山います。

当然、仕事をしていて「後輩」と対峙することも増えましたが、この業界に入ってくる恵まれた環境にある人たちは、一様に頭が良いなと思います。本当に頭が良いから、決められたこと、指図されたことをこなすことはとても得意ですし、文章や話の内容を理解する力は高いでしょう。ただ、人間関係の構築は、とても下手なんだろうなと思います。そりゃそうです、ずっと同じようなバックグラウンドの人たちに囲まれていたら、違う環境の人たちと一から関係を築くために必要な作法など必要ないですものね。話をしていても相手が意味を分かってくれないとか、例えば心身に障がいをお持ちの方と接した経験がある人もさほどいないでしょうし、さらに言えば自分に敵対する人間が毎日あらわれるという生活はしてきていないわけです。

いざ自分の言っていることが否定されたり、相手が理解してくれないとなると、過度に苛ついたり、人によっては怒りを露わにしてくることすらあります。法廷や交渉の場でそんな態度をとられることは、残念ながら少なくないのです。さらに、資格のない一般の人に対しても、同じような態度が取られていると想像すると、少しゾッとします。このことは年齢や修習の期が必ずしも関係なくて、若いころの作法がそのままになっている人たちも相当数居るのだと思います。だから、何だか偉そうで、いつも話を聞いてくれないという苦情が弁護士会には多く寄せられ、敷居が高いと言われるのでしょう。反権力がこの職業の存在意義だというのに、弁護士であるというその一点だけで偉そうになれるその権威主義的姿勢は何なのでしょうか。

フェアでないと思うので告白すれば、かくいう自分も間違いなくそのような態度であったと自覚しています。今から振り返ると、電話で話しているときに事務所全体に聴こえるような声で怒鳴りあげてしまったりという失敗談は少なくありません。だから、今は、相手にそのような態度を取られたからといって、腹をたてることは決してありません。なぜ、そう変化できたか。結局それは、自分の中で根本的に意識を変えたからです。自分の周りで利害関係がある人たちで、その手のコントロールが難しい人には、ただひとつのことだけを繰り返し言うようにしています。

原因は、貴方にあると。

正しい正しくないではなく、相手を自分と同じ存在として尊重する姿勢があるかどうか。好ましい関係を構築できない原因を、自分以外の何かに求めてはいけないということ。苛立つ、腹が立つというのは、相手が自分の好むような態度を取ってくれないからです。どうして分かってくれないんだ、どうしてウンと言ってくれないんだと思うと、腹立たしいことでしょう。でも、それは相手のせいじゃないんです。自分の好むような態度を取らせられない自分の態度の問題があるのです。イラッとした瞬間、相手は自分と同じ人間から、ただの物になっているんです。それは親子でも、夫婦でも、友人でも、仕事上の関わりでも、同じことだと思うんですね。

今流行のアンガーコントロールにせよ、人間関係における一番シンプルで重要な作法は、他のせいにしないということだと思います。自分も、ここ数年でようやく理解しはじめてから、何となく肩の力が抜けて楽になりました。もちろん至らないところもあって、相手を不快にさせたり、こちらが苛立ってしまうこともありますが、そういう機会は随分と減ったように思います。

こういう考え方を体得することは、この仕事をしていると、存外に難しいです。先生だと言って、良くも悪くも下駄を履かされてしまいます。目の前の人が思うようにならないときに、相手の目線に立ち続け、ブレずにポジティブな態度を続けることは、相当の鍛錬が必要です。私は有り難いことに家族や仕事以外で関わる人たちがそれをあちらこちらで示唆し、教えてくださって今があると思います。特に弁護士なら、敵対されるのが前提ですから、自分をコントロールする技術は、実は法律の勉強にもまして大事だなと思います。それは単に感情面の曖昧な話ではなくて、結果として交渉や仕事の進捗を効率化する技術であり、時短を達成するのに欠かせない技術だと思います。

この1週間で、家族や職場の仲間、取引の相手に、苛立ったり、怒鳴ったりしたことはありませんか。そのとき、自分はどうして苛立ったり、怒鳴ったのでしょうか。次に苛立ち、怒りの感情を抱いた瞬間、そのことに思いを馳せるだけで、ほとんどの負の感情はなくなると思います。

最後に、私が自分で読んで、自分が変わるきっかけになった本をご紹介しておきます。以前にも紹介したことがありますが、「箱の本」は、私が抱えていたのと同じような困難に直面している人には、うってつけだと思います。あやしい宗教やその種の勧誘の類ではありませんから、ご安心を。うちの勤務弁護士にも勧めています。
自分の感情というもの、人間関係を少し俯瞰して眺めることができれば、もう怖いものがないように思いますね。

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謹賀新年2016
皆様あけましておめでとうございます。
ブログの更新自体、随分と時間が空いてしまいましたが、年賀状は失礼しておりますので、こちらでの投稿でご容赦ください。

まずもって、昨年中は大病もなく無事に過ごして来れたこと、数多くのご依頼者の方との縁をいただけたことに、深く感謝します。
当事務所としては、昨年まで勤務してくれた川合秋子弁護士が兵庫県弁護士会に移籍したことと、新たに石見拓野弁護士が参加してくれたことをあらためてご報告します。川合弁護士の約3年にわたる貢献は他に代えがたく惜別の情を禁じえませんが、同弁護士の新天地での活躍を心より願っております。また石見弁護士はわずか半月の執務ではありますが、早くも書面作成等に非凡な能力を示してくれていると思いますので、ご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。

当ブログの更新は相変わらず気まぐれとなるかと思いますが、Facebookでの投稿でかなり満たされてしまっている部分もあります。ただ、ブログでつながったご縁も少なからずあり、ブログだからこそ落ち着いて示すことのできる意見や考えというものはあると思いますので、落ち着きましたらあらためて自分の中での位置づけを確かなものにして、開店休業状態にならぬよう留意して参ります。

新しい年も、より多くの案件で、出来る限りクライアントの利益を達成するとともに、様々な形での社会貢献ができるよう所員一同研鑽を続けて参ります。
昨年同様、お付き合いのほどをよろしくお願いします。
皆様にも幸せの多い年になることを祈念しております。

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